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「長期優良住宅制度」のギモン2②~維持保全計画について

鈴木敏広

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テーマ:制度と基準について

「長期優良住宅」の項目に「維持保全計画」がありますが、その内容は以下の項目について定期的に点検・補修することとなっています。
住宅の構造耐力上主要な部分
住宅の雨水の侵入を防止する部分
住宅に設ける給水排水のための設備

上記の項目で三番目の設備は、生活していればわかることですから、省くとして1,2番目の項目について書きます。

一番上に構造耐力上主要な部分という項目がありますが、床が下がっているなどの目に見える不具合が出ないと構造材の大きさ配置などに問題があっても点検などできないと思います。構造耐力上な部分に影響を与えるのは、大きな災害以外は雨漏りや結露と思います。

二番目に「雨水の侵入を防止する部分の点検補修」と書いてありますが、コラム「これからの雨漏り④」に書いたように現代の家は防水材料の進歩で容易に雨漏りは発見できません。また、点検するには天井裏と床下に入らないといけません。床下は設備点検のこともあるので入ることができると思いますが、天井裏は最近たくさん建っている屋根勾配の緩い家や屋根がフラットに近い家では、天井裏に入ることも大変で入ることができなければ、天井点検口の周りしか見えないことになります。

この中に雨水の侵入はあっても内部結露のことが書いていませんから、何を考えているのかと思ってしまいます。高気密高断熱住宅は、昔の住宅よりも風通しの悪い住宅なのですから内部結露のことが書いていないのは不思議です。内部結露は何年何十年と掛かってカビのにおいやシミが出てきて初めて気が付くと思います。その時にはすでに大きな被害になっている可能性もあります。当然修理費用も大きくなると考えられます。

長期優良②

次回は、『「長期優良住宅制度」のギモン2③~耐震等級は長期間か』です。

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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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