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「長期優良住宅制度」のギモン⑤~傷みにくい、劣化しないような作り方

鈴木敏広

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テーマ:制度と基準について

前回は使用する材種について書きました。③に書いた項目の二つ目です。
集成材や合板を使っても傷まなければいいのですから、作り方次第でその寿命は大きく変わることになります。傷まない劣化しにくい作り方とは気候に合っていることつまり気候の影響を受けにくいことです。もちろん災害に強いことも大事です。長期優良住宅の項目には耐震等級がありますが、この項目は地震などの災害時に被害が少なくなるための性能です。

災害時以外に木造住宅を傷めるのは雨漏りと結露です。本来は「長期優良住宅」の項目の中に「雨漏りしくいこと、結露しにくいこと」は含まれるべきだと私は思います。最近建てられている家の中には屋根の勾配が少ない、軒がない、窓に庇がないなど昔の家にはどの家でもあった「雨の多い国で基本的なこと」がないものが多くあります。

軒も庇もない家は雨が降れば壁に当たり、また、勾配が緩い家は雨切れが悪く軒先が傷んだり、大雨で雨量が多いと屋根の上に雨が溜まり雨漏りの原因になります。防水材料に頼って軒なし庇なしの家が建てられていますがどんな材料も劣化します(下図は軒や庇のある家とない家の雨の掛かり方です)。雨と太陽が当たるほど劣化します。大量に降る雨で劣化しにくい作り方は非常に大事なのです。

長期優良⑤

次回は、『長期優良住宅制度」のギモン⑥~傷みにくい、劣化しないような作り方2』です。

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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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