省エネ基準の改正について⑧~日本にある資源を使わないなんて
このコラムは、数か月前に電話でWB工法のことからいろいろなことを聞かれました。その会話の中で「長期優良住宅制度」の話が出たとき、私が「あの制度を守っても長期間優良とは関係ない…。」と言ったところ相手が驚いていたので作りました。
平成21年から国の制度として長期優良住宅制度という物があります。私には疑問しかない制度です。このコラムではそのギモンについて書きます。但し木造住宅についてです。
「長期優良住宅制度」は以下の項目を満たした住宅です。
1.劣化対策
2.耐震性
3.省エネルギー性
4.維持管理、更新の容易性
5.住戸面積(床面積が75㎡以上)
6.維持保全計画(定期的な点検、補修に関する計画がされていること)
7.災害配慮(各地域のリスクに応じた対策をすること)
8.居住環境(周辺環境との調和、地域計画に沿っていること)
9.バリアフリー性
10.可変性
9と10は共同住宅に適用なため戸建住宅には関係ありません。戸建て住宅では1~8までの項目が該当します。
実はこれと同じような制度があります。「住宅性能表示制度」です。以下の項目があります。
1.劣化の軽減
2.構造の安定
3.温熱環境
4.維持管理・更新への配慮
5.火災時の安全
6.音環境
7.光・音環境
8.防犯
9.高齢者等の配慮
10.空気環境
1~4までが似ていると思いませんか。「住宅性能表示制度」は平成12年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき制定されましたが、あまり普及しませんでした。
そのために「長期優良住宅制度」が作られたと私は考えています。その理由は「長期優良住宅制度」には耐震等級や省エネ等級がありますが、それらの等級は「住宅性能表示制度」で定められた等級と同じだからです。最近、「住宅性能表示制度」のことは言われませんから間違いないと思います。
ちなみに「長期優良住宅制度」の長期の期間ですが、「劣化対策」の中に「数世代にわたって使用できる」と書いてあります。
次回は、『「長期優良住宅制度」のギモン②~「長期優良住宅制度」にない項目は』です。
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