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基礎の高さについて⑨~現場を見て設計しているのか

鈴木敏広

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テーマ:住宅の工法

⑧でメーカーの家で道路からどうやって玄関に行くのか考えていない家のことを書きました。①と②に書いた家の敷地は広いため道路からのアプローチは問題がないのですが、基礎を現状の地面から下げることをしなかったため降った雨が隣の家の方に流れ、地盤沈下しました。

道路と敷地の高低差がある、敷地内に2つの家があることを知らない、なぜこんなことになるのか、二つは別々のメーカーですが、現場を見て設計していないため、このような事態になるのではないのでしょうか。

基礎の高さ⑨

そうでなければ、現場の状況は無視して基礎は掘らないで現状の地盤に乗せると決めているとしか考えられません。

道路との関係から基礎の高さを考えないといけません。道路と高低差があったり、道路が坂道などの場合は無理としても、玄関から玄関ポーチを出て、道路までなるべく階段の数を減らすように計画するのは当たり前だと思います。

このようになるのはコラム[建築は大工が造ってきたが18](建築は大工が造ってきたが18参照)に書いたようにこれも分業しているためではないでしょうか。設計が現場を見ないで設計し、工事担当者がその図面のとおりに工事する。その時に、道路からのどうやって上がるのか、同じ敷地のほかの建物のことを疑問にも思わない、自分の担当の仕事が終わることしか考えていないのではないかと思います。

次回は、『セミオーダー住宅①』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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