最近の家の建て方(順番)について⑧~分業制の弊害2
⑤と⑥には早く床を張ることでコンクリートの乾燥のことを書きましたが、もう一つ心配なことがあります。
⑥の最後に木造は軽いから、基礎のコンクリートを打ってから2週間で上棟しても強度的には十分かなと書きましたが、よく考えたらコンクリートの強度が出ていないうちに土台をアンカーボルトを締めてしまえば、ボルトとコンクリートの付着(くっつくこと)が十分なのかと思いました。
コンクリートは鉄と相性が良く、鉄に付着するため一つの構造物として一体化します。一体化するので地震や台風などの力に対して、圧縮力にはコンクリート、引張り力には鉄筋が負担し、構造物として成立つのです。しかし、それはあくまで乾燥してコンクリートの強度が出ているという条件付きです。
コンクリートは当然、外側(外気に触れる側)から乾燥します。アンカーボルトは基礎巾の中央にありますから、最も乾燥しにくい場所にあります。乾燥していない(強度が十分でない)うちにアンカーボルトを締めればコンクリートと付着は十分でなくなり、災害の時に十分な力を発揮できないかもしれません。
⑪に書いた家が基礎のコンクリート打設後、14日目に上棟したとすると、その2日前に床を張っていましたから乾燥期間は12日ということになります。
実験したわけでもないのでどれぐらいの影響があるのかわかりませんが、わかっていることはコンクリートを一日で打設するので、一軒の家のすべてのアンカーボルトが同じ状態になります。一本一本の強度ではなく、全体が強度不十分になるのかもしれないということです。
※20坪ほどの基礎(もちろん間取りなどにより基礎の長さは変わり、アンカーボルトの数も変わります)でアンカーボルトは100本ほど使用されます。
実際、どれぐらいの影響があるかはわかりませんが、いずれにせよ、コンクリートの乾燥期間は十分にとる必要があると思います。家を長持ちさせるには大事なことだと思います。
次回は、『高さの高い窓と横に長い窓①』です。
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