金物工法の疑問⑩~失われる技術者の経験
戦後作られた法律は地震がある度に何度も改正され、現行の基準は95年の阪神の地震後に改正されたものです。改正された年度と主な内容は下の通りです。
何度も改正される理由は地震のことがそれほど分かっていないからだと思います。地震のデータも今のような詳細なデータが取れるようになったのは、コンピユーターが発達しGPSで計測できる2000年代からでしょう。ですから、それを根拠とする計算方法もこれから改正されるのだろうと思います。
コラム「新耐震住宅でも倒壊の恐れ8割の記事より~なぜ倒れない家を調査しないのか?」②(コラム;新耐震住宅でも倒壊の恐れ8割の記事より 参照)に書いたように大地震が来たときに壊れた家の調査はしますが、壊れなかった家の調査はしません。コラムに書いた天王寺谷棟梁の家は1981年以前の基準の家でも倒壊しませんでした。天王寺谷棟梁の家はもちろん阪神の大地震の前に建てられた家ばかりです。それでも、倒れた高速道路の際で倒壊しない家を作れたのですから、天王寺谷棟梁のような大工が建てていれば法律改正する必要はないのです。
地震が来たときに被害がでるかでないかは、基準を満たしているか否か、計算できたか否かの前に「どう考えたか」で、一番大事なことは現場技術者の考え、心構えだと私は思います。
次回は「金物工法の疑問⑨~時間が証明する」です。
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