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金物工法の疑問⑦~余力のない怖さ

鈴木敏広

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テーマ:金物工法

「余力」という言葉がありますが、構造計算できることで基準を満たすことが目標になり、計算した結果に安心してしまい全く余力のない家ができるのではと私は心配しています。

大工は経験から考えて家を建てていました。計算していないので根拠がないと思われますが、前回に書いた梁の架け方は一例ですが、計算できないために安全を考えて余力のある家を作っていたと思います。

計算して出た答えは、今までに分っていることを元に考えられています。地震が来た時に計算通りなら大丈夫でしょうが、それを超えた場合には壊れてしまうかもしれません。

95年の阪神の地震の地震加速度は818ガルでしたが、2004年の新潟県中越地震では2515ガル、2008年の岩手宮城内陸地震では4022ガルを計測しています。阪神の地震のときに被害が余りに大きかったため法律改正されましたが、地震加速度を見る限り2000年の改正なら大丈夫とは考えられません。ですから、計算通りではなく+αを考えて余力のある建物でないとダメだと私は思っています。

金物工法⑦

次回は「金物工法の疑問⑧~法律は何度も改正された」です。

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鈴木敏広(一級建築士)

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木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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