金物工法の疑問⑦~余力のない怖さ
私が「集成材を材料に使い、接合部に金属を使い構造計算しているから安全です」としている工法に一番疑問に思っていることは鉄と木の相性が悪いことです。
異なるモノを組み合わせて構造体を作る工法に鉄筋コンクリートがありますが、鉄筋コンクリートはその名のとおり鉄筋とコンクリートを一体化した工法です。コンクリートがアルカリ性のため鉄筋が錆びにくいこと、コンクリートが鉄筋に付着する性質があること、鉄が引っ張り、コンクリートが圧縮に強いことなど条件がそろっているため可能になっています。ですから鉄筋コンクリートは一体化してその強度を発揮します。
それに比べ、鉄と木は一体化しません。地震の時などでは木は木、鉄は鉄として動くと考えられます。
鉄と木は相性が悪く、木材は鉄の嫌う水分を吸湿し錆びさせ、金属は木と違い熱を通しやすいので木と金物の間で温度差ができ結露し錆びさせる原因となり、錆びた鉄は膨張しこんどは木材を傷めます。鉄と木の組み合わせは、コンクリートと鉄筋のように相性が良くないのです。
一体化しない以上、大きな災害時に計算以上の力が加わればおそらく鉄が勝ち、集成材が負けて割けていくのではと思われます。
次回は「金物工法の疑問④~倒壊した本当の理由は?」です。
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