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結露⑬~壁の結露は大問題

鈴木敏広

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テーマ:結露

内部結露が注目されたのは40年ちかく前に北海道で起きた「なみだ茸事件」からです。
冬の寒さを和らげようと、壁に今までの倍の厚み(100mm)の断熱材を入れたところ、壁の中で”なみだ茸”というキノコが発生し、家が傷んでしまった事件です。

それまでの断熱材の厚みは50mmと薄く、壁の中の空気層が十分あったため、空気が対流して結露しにくかったのですが、厚い断熱材をいれたことにより狭い空気層となり、室内の暖かく湿った空気が壁の中に入り結露し、なみだ茸が生え、家を支える大事な柱や土台まで腐らせたのです。


内部結露は床下、壁の中、天井裏で起きますが中でも壁の中で起きると大問題です。
床下、天井裏は水平ですが、壁は縦に長いため結露して水蒸気が露になると、すべて下に落ち、柱の
根本や土台など構造材の大事な部分に溜まり、構造材を傷めることになります。

地震で家が揺れたときに抵抗するのは柱や壁ですから、結露してその根本が傷んでいれば、災害時に
耐えられないかもしれません。壁の結露は家の強度を低下させるのです。
結露⑬

次回は、『結露⑭~これからの住まいは内部結露との戦い』です。


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鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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