耐震診断できない木造住宅④ ~世の中はリフォームする時代
○×ホームの図面には、パネルの記号があります。メーカー独自の記号でどんなパネルを使用しているのか全くわかりません。木質パネルですから柱はありません。いわゆる2x4工法と同じような工法ですが、工場でパネルをつくり搬入して建てます。工場でつくったパネルの内容、使っている合板の厚みやパネルの中の下地も全て不明。家を支える耐力壁がどんなものなのか分らないのです。国の許可をとり、認定された工法だから図面に記入がないのです。
大きな地震が起きると建築基準法は改正されてきました。最も新しい改正は2000年、その前の改正が1981年です。依頼者の家(耐震診断できない木造住宅①参照)は1973年に建てられていましたから、1981年の改正よりも前に建てられたことになります。現行基準で計算したら、おそらく基準は下回ると考えられますが、耐震強度が具体的にいくつあるのかメーカーしかわからないことになります。
もしもそのメーカーが倒産した場合どうなるのでしょうか?
認定工法のおかしなところは、公開されていないことです。つくった家はお金を払った建築主のものです。建築主に認定工法の詳細が渡されていません。もし、建てたメーカーがなくなった場合、工法がわからないので第三者が直すことができません。壊すことになると思います。
私が「家はオープン工法で建てないといけない」と言っていますが、その理由はこういうことになるからです。
次回は、「耐震診断できない木造住宅③~オープン工法とクローズド工法」です。