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耐震診断できない木造住宅②~図面を見てもわからない家

鈴木敏広

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テーマ:耐震診断できない木造住宅

○×ホームの図面には、パネルの記号があります。メーカー独自の記号でどんなパネルを使用しているのか全くわかりません。木質パネルですから柱はありません。いわゆる2x4工法と同じような工法ですが、工場でパネルをつくり搬入して建てます。工場でつくったパネルの内容、使っている合板の厚みやパネルの中の下地も全て不明。家を支える耐力壁がどんなものなのか分らないのです。国の許可をとり、認定された工法だから図面に記入がないのです。
耐震診断②
大きな地震が起きると建築基準法は改正されてきました。最も新しい改正は2000年、その前の改正が1981年です。依頼者の家(耐震診断できない木造住宅①参照)は1973年に建てられていましたから、1981年の改正よりも前に建てられたことになります。現行基準で計算したら、おそらく基準は下回ると考えられますが、耐震強度が具体的にいくつあるのかメーカーしかわからないことになります。
もしもそのメーカーが倒産した場合どうなるのでしょうか?

認定工法のおかしなところは、公開されていないことです。つくった家はお金を払った建築主のものです。建築主に認定工法の詳細が渡されていません。もし、建てたメーカーがなくなった場合、工法がわからないので第三者が直すことができません。壊すことになると思います。
私が「家はオープン工法で建てないといけない」と言っていますが、その理由はこういうことになるからです。

次回は、「耐震診断できない木造住宅③~オープン工法とクローズド工法」です。

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鈴木敏広
専門家

鈴木敏広(一級建築士)

まちの大工さん 鈴木工務店

木造住宅からマンション、市の施設まで建築業界の最前線で培った経験を生かし、安心、安全、快適で長く暮らせる住環境を提案。大工経験から現場の声を大切にする家づくりは職人にも施主にも好評。リピート率も高い。

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