マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
一雨一度。
一雨ごとに一度くらい気温が低くなるという、秋の季節の移り変わりを表現する言葉です。
ただここでの一度は、厳密に気温が1℃下がるのではなく、一雨降るごとに少しずつ寒くなり、秋の深まりを感じるようになるという意味です。
雨には季節を進める力があるのでしょうか。
春は「一雨ごとに暖かくなる」といいますね。
今年も残すところ2か月になりましたが、11月は自然の移り変わりと、年中行事が重なる季節ですから、とにかく歳時記が豊富です。
例えば「紅葉」。
日本には紅葉前線という美しい言葉がありますが、昼夜の寒暖の差が大きくなると、落葉樹が赤や黄色や橙色に色づきます。
日本の紅葉は世界の中でも大変美しいといわれますが、広葉樹の種類がとても多いからだといわれています。
山々の広葉樹が橙色、黄色、赤色に染まり、あたかも女性がお化粧したようになった様子を「山装う」と表現しますが、美しい季節は束の間で、やがて木枯らしに吹かれ落葉し、山が閑散としてきたら「山眠る頃」と呼びます。
さらに霜が降り、時雨にも見舞われ、景色が大きく変化してくると、本格的な冬の到来を実感するようになります。
ちなみに11月の和風月名は諸説ありますが、霜が降る月だから「霜月」という名前が付けられています。
また11月は収穫が終わり、冬支度が始まるころでもあるので、暮らしに結び付いた行事が多い月でもあります。
●11月3日「文化の日」
皇居で文化勲章の授与式が行われ、毎年大きく報じられるので、おなじみになっていますが、もとは昭和21年11月3日に公布された日本国憲法が、平和と文化を重んじる憲法ということで、11月3日が「文化の日」になったわけです。
つまり「自由」と「平和」を大切にしながら、文化を進めることを祝う日ということですが、最近考えさせられることが多くなった気がしてなりません。
改めて平和の尊さ及び文化の大切さを考えてみたいものです。
そのためには日本の礼儀作法に精通することをお勧めします。
日本のマナーの根源をなすものは「感謝の心」「敬意」「思いやりの心」ですが、これらは、人のみならず、自然に対しても発揮されるので、平和や環境保全にも寄与できる、素晴らしい文化です。
●11月7日「立冬」
冬が始まる日です。
ちなみに立春・立夏・立秋などの「立」という字は「始まる」という意味があります。
一日のことを「ついたち」とよみますが、もとは「月立ち」、つまり月の始まりで、ひと月の最初の一日です。
また二十四節気では立冬から立春の前日までが冬です。
天文学的には四季は二支二分、つまり夏至と冬至、春分と秋分で区切るので、冬至から春分の日の前日までが冬になります。
冬の語源は「冷ゆ」が変化したものという説が有力ですが、「冬来たりなば、春遠からじ」という言葉があります。
「冬が来れば春は遠くない」という意味ですが、「今がどんなに厳しくても、良い日は必ずやってくる」という意味で使用されます。
このような言葉は、中国や日本の漢詩や古文に由来するものが多いのですが、この言葉は19世紀に活躍した、イギリスの詩人シェリーの詩「西風に寄せる歌」からきています。
ただこの言葉は、今苦境に立たされている人への励ましの言葉であって、成功を保証するものではありません。
立冬の初侯は「山茶花始開」です。
童謡や演歌にも登場する山茶花の季節ですが、我が家の庭の山茶花も、ピンク色の蕾が膨らんで、冬の訪れを告げています。
「椿」と「山茶花」はよく混同されますが、椿の開花はおおむね2月頃です。
さらに山茶花は花弁が一枚ずつ散っていきますが、椿は花ごと落ちます。
また晩秋から初冬にかけて、穏やかで暖かい日に恵まれることがありますが、「小春日和」といいます。
旧暦10月のことを「小春」といいますが、この季節は春の季節とよく似ているから名付けられた言葉です。
そして旧暦の10月の亥の日には「炬燵」を出す火です。
亥は水と関連が深いので、この日に炬燵開きをすれば火事にならずに済むと考えられていたわけです。
従ってこの日になると、みんな一斉に炬燵開きをしますが、江戸時代には身分制度があり、武士が最初の亥の日に出し、次の亥の日に庶民が炬燵を出す風習だったようです。
炬燵の燃料には薪を使用するのですが、経費節約で、先ずは武士が優遇され、庶民は少々寒くても我慢しなさいということだったのでしょうか。
平等な時代に生まれてよかったです。
11月22日は二十四節気の「小雪」、12月7日は「大雪」です。
どちらも「雪」がつきますが、雪の便りが届く頃です。
動物も自然も冬眠の準備に取り掛かりますが、冬の始まりを意識して、季節と同化し、自分流に晩秋から冬への備えをしてくださいね。
私は睡眠と暖かい飲み物や食べ物、そして心地よい時間を大切にしたいと思っています。


