マナーうんちく話2318《いくら時代が変わろうとも変えてはいけない大事なもの》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

10月は全国の八百万の神々様が出雲大社に出張され、神様が不在になるので「神無月」と呼ばれますが、じつは神様が完全にいなくなるわけではありません。

すべての神様がいなくなれば、日々の暮らしが成り立たなくなります。
だから「留守神」が残ってくださるわけです。

留守神の代表格は、商売繁盛や五穀豊穣を司る恵比寿様です。
さらに屋敷やかまどを守ってくれる荒神様もそうです。

さすが神様の世界は上手にできていますね。
人間の世界もこうあってほしいものです。


ところで2010年6月に「マナーうんちく話」を発信して以来、16年が経過し、2300を超えるコラムをお届けいたしました。

「継続は力なり」といいますが、お蔭をもちまして、数えきれないくらい多くのご縁をいただきました。
深く感謝いたします。

ちなみにマナーはその国々の文化、歴史、気候風土、食生活、国民性、宗教により大きく異なります。

さらに不易流行的側面を有します。

不易流行とは、松尾芭蕉が俳諧に取り入れた概念で、時がたっても変わらないものと、時とともに変えていく必要があるものという意味です。

少し古臭いかも知りませんが「歌は世につれ、世は歌につれ」といいます。
流行歌の世界は世の姿をそのままに映しだし、世の中も歌の移り変わりに影響を受け変化します。

今でも、話題になる曲は、その時代の気分や価値観を映しだしています。
音楽は時代を映すということでしょう。

ホテルでブライダルを担当しているときに、歌が急激に変化していったことをよく覚えていますが、あまりにもスピーディーな変化についていけず苦労しました。

特に中高年齢者の視点からは、若い人の行動や考え方に違和感を抱いたものです。


古今東西、世代間のギャップはつきもので、それをとやかく言っても始まりません。

しかし、いくら世の中が変わっても、変えてはいけないものは多々あります。
特に人としての生き方は・・・。

以前「マナーうんちく話」を発信し始めたころから、「今の日本はどこかおかしいぞ」と思うことが、ビジネスでもプライベートでも多くあります。


私が若い頃は、今のように物が豊かでも、便利でもなかったけど、職歴、学歴問わず、額に汗してまじめに働けば、ほとんどの人が結婚して家庭を持ち、躊躇することなく子供を産み、苦労しながら子育てもでき、人口減少の心配も不要でした。

義理も人情もあったと思います。
家庭には「団らん」がありました。

今はどうでしょう。
AI全盛でとにかく便利で、物に恵まれ、長寿になりましたが、世の中がギスギスして、挙句の果てには人生の「勝ち組」「負け組」、さらに人生戦略などという言葉が幅を利かしています。

これでよかったのでしょうか。

国連が毎年発表する日本の幸福度は、お世辞にも言いとは言えません。

「世界幸福度ランキング」では、情けない限りの順位が続いています。
政治や経済界も相変わらず不祥事続きです。

日本の子供しかりでしょう。
学力や体力は大変優れているにもかかわらず、自殺や不登校などは増え続けています。

地域や家庭の絆も希薄になり、孤独死も増え続けています。

これが世界屈指の長い歴史を有し、物が豊かで便利で、四季が美しく、治安もよく平和な国の姿でしょうか?

いろいろ原因を考えてみましたが、ひとえに、変えてはならないことを替えたからだと思います。

その結果、人として一番大事な、思いやりや、支え合って人間らしく生きていくという視点が欠如してきたからではないでしょうか。


プライベートでもビジネスでも、周囲と良好な人間関係は必要不可欠です。

そして良好な人間関係を築くには「礼儀作法」が必要です

相手に対する感謝や思いやりや敬意、さらに自分自身に対する謙虚さや誠実な態度などなど・・・。


昔の「良妻賢母教育」や「終身雇用」や「年功序列」は、時代に合わないという考えも、頭から否定するつもりはないけど、そのメリットは計り知れないほどあったことも確かです。

まず「良妻賢母」は家庭への思いやりを大事にするので、安心感や落ち着きが作りやすく、さらに子供の理想的な生活習慣や学びを支えてくれます。
育ち盛りの子供にとって最も大切なことです。
良妻は夫婦で話し合えばいいことであり、子どもにとって賢い母は理想的だと思います。また「良夫」も歓迎でしょう。

さらに「終身雇用」は雇用が長期にわたり安定し、失業のリスクが少なく、将来設計が立てやすくなります。
社員にとっても企業にとっても、安心感が生まれるということです。

また「年功序列」は社員の定着や安心感を高め、連帯感や一体感が強まり、社内協力が得やすくなります。ベテラン社員のスキルや経験が思う存分発揮でき、次世代への継承がスムーズになります。

また終身雇用や年功序列制度の頃は、少なくとも一生懸命、まじめに働けば、誰でもそれなりの暮らしができていました。

不器用で融通が利かない、いわば愚直な生き方でも、誠実に、まじめに、コツコツ努力する人は、それなりに報われたものです。

経済優先は理屈から判断すればとても大事です。
でもこれがすべてではないはずです。

このような時代だからこそ、今の時流を尊重しつつ、昔の制度の良い点も再度、見直してみるのもいいと思うのですが・・・。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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