マナーうんちく話544≪薔薇で攻めるか、それとも恋文か?≫
二十四節気の白露の次候は「鶺鴒鳴く」です。
鶺鴒(せきれい)は燕や雀や鳩のように比較的身近な鳥ですが、ご存じでしょうか?雀より少し大きくて尾が長い鳥です。
その鶺鴒が恋の季節を迎え鳴き出す頃になりました。
ちなみに鳥の繁殖期は春から夏に多く、雄が雌に求愛するために鳴き声を上げますが、鶺鴒は実りの秋に婚活に勤しみます。
立春の次候に春告げ鳥の「鶯鳴く」がありますが、白露の次候に「鶺鴒鳴く」と取り上げられたのには大きな理由があります。
神話の世界ですが、伊邪那岐と伊邪那美の神様が結婚した時に、尾を振る様子で男女の交わりを教えた鳥が鶺鴒です。
つまり鶺鴒のお陰で、二人の神様は子供を産むことができたわけで、少々大げさな言い方になりますが、日本の国があるのは鶺鴒のお陰かもしれませんね。
だから鶺鴒は「恋教えどり」とも呼ばれています。
結婚式場の大きな壁に鶺鴒が描かれたり、鶺鴒の調度品があったりするのはそのおかげです。
また全国の多くの市町村の指定の鳥になっています。
それだけ鶺鴒が「縁起がいい鳥」ということでしょう。
しかし今では、鶺鴒が結婚にゆかりが深い鳥であることをご存じの方は少なくなりました。
そればかりか恋愛観や結婚観が大きく変化し、世界屈指の長い人生において、結婚を視野に入れない人も珍しく無くなりましたね。
自分の人生ですから、自分で決めればいいと思います。
結婚する方がいいのか、しないほうがいいのか?
時間やお金が自由に使えるから、煩わしい親戚づきあいをしなくて済むから、誰に気兼ねすることなく自由に生きられるからなどの理由で、結婚しないという人も多いと思います。
反面、長い人生を共有できる人がいるほうが幸せだから、愛し愛される人生は素晴らしいから、また1馬力より2馬力の方が楽になるから、病気になった時のことを考えたら不安だからなどで結婚したいと希望している人も多いでしょう。
さらにパートナーは欲しいけど結婚は考えたくない人もいます。
いろいろな考え方や生き方が好きに選べる時代になりましたが、すぐに答えは出せない奥深い問題ですね。
現在の自分、5年後10年後の自分、20年30年後の自分、高齢期になった時の自分の在り方などを、よく考えてみるのもいいと思います。
先ずは世界屈指の長寿を「どのように生きてみたいか?」
大前提はそこからです。
ちなみに私はホテルでブライダルの仕事が長かったので、多くのカップルと触れ合ってきました。
いろいろなカップルに出会うことができましたが、どんなカップルも結婚を控えたカップルは、例外なく最高に幸せだと感じました。
今でも多くの幸せなカップルに巡り合えたことに大変感謝しています。
長時間労働で苦労も多々ありましたが、幸せな仕事人生だったと思います。
このような経験から「仕事に恵まれること」と、「愛する人に恵まれること」が、人生最大級の生きがい!というのが私の持論です。
だから「生きがいづくり」についてさらに学びたくて、「健康生きがいづくりアドバイザー」の資格を取り、婚活や就活にも精を出している次第です。
ところで、仕事にはビジネスマナーが存在しますが、恋愛にもマナーは必要です。
難しく考えていただく必要はありません。
相手に自分の考えや価値観を押し付けないで、相手の言うことに耳を傾け、相手の考え方を理解し、尊重することです。
感謝の気持ちも大切です。
「ありがとう」は常に二人の潤滑油になってくれます。
そして「謝ること」は、簡単なようですが、実は非常に難しいことです。
些細な事でもみずから「ごめんなさい」といえる勇気も大切ですよ。
しこりは極力残さないということです。
以上は、相手と接するときに心がけたい基本的なマナーと考えていいでしょう。
また結婚する前でも、結婚しても、家族ができても常に「親しき中にも礼儀あり」です。
良好な関係を築くためには手間暇を惜しまず、互いが心地よくなる工夫が必要です。
最後に共有する時間をできるだけ多くとるように心がけて下さい。