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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話2169《今を丁寧に生きる!「一回一動作」の勧め》

2023年3月13日

テーマ:マナーの心得

コラムカテゴリ:くらし

日本は「平均寿命」も「健康寿命」も世界トップクラスで、世界有数の長寿の国になりました。

長寿は人類永遠のテーマで、これを世界に先駆けて達成したことは実に誇らしいことです。

しかし「長寿社会」ということは裏を返せば高齢者が多い国で、現在日本の高齢化率は29,1%で世界一です。

そして高齢者が増加すれば「認知症の高齢者」も増加します。
認知症の最大の原因は加齢ですから、長寿になればなるほど認知症の人も増えるということですね。

ちなみに2022年の日本の総人口は約12470万人で、百歳人口は90526人、高齢者数は約3600万人で、そのうち認知症の高齢者は600万人を超えています。

認知症はある程度仕方ないこととはいえ、生活に大きな支障が出ます。
本人もつらいですが周囲の人も大変です。

そこで予防が大切になるわけですが、現在様々な取り組みが積極的になされています。

その中の一つに、身体を動かしながらなにかをする「ながら(しながら)動作」があります。

たとえば「足ふみをしながらしりとりをする」とか「歩きながら暗算をする」などです。

「ウオーキングしながら歌を歌う」や「歯磨きしながら屈伸運動する」こともよくあります。

運動すれば認知症予防効果があるといわれているので、同時に二つの動作を行えば効き目はありそうですね。

また「ながら動作」は高齢者に限ったことではありません。
比較的若い人に多い「歩きながらスマホを見る」「歩きながら電話をする」なども該当します。


いっぽうマナーの世界には「一回一動作」という言葉が存在します。

私も和の礼儀作法講座などではよく取り上げますが、一回一動作は美しい振る舞いの基本になります。

「ながら動作」は一切しないということです。

今行っている動作に心を込め、全神経をそれに集中させます。
そして、それを形として、美しく表現することです。

和室での礼儀作法は窮屈で、堅苦しいと思われがちですが、相手に対する思いやりや敬意の表現だと捉えて頂ければいいでしょう。

履き物の脱ぎ方、襖の開け閉て、座布団の座り方、座礼の仕方、贈答の仕方、箸や器の扱い方など、細かな作法が敷かれているのは、まさに他者に対する思いやりの心を、美しく表現するためであり、一回一動作はその基本になるわけです。

結婚披露宴での乾杯の仕方を例に挙げてみましょう。

「ながら動作」では、乾杯する際にシャンパン(ワイン)グラスを持ちながら起立をしますが、「一回一動作」ではまず起立します。

起立という行為に神経を集中させ、心を込めるます。

次にグラスを持ちます。


お辞儀ですと、言葉を発しながら頭を下げる「同時礼」は「ながら動作」といえるでしょう。

これに対し「よろしくお願いします」までは姿勢を正したまま言葉に発し、その後改めて頭を下げる「分離礼」は「一回一動作」で、より丁寧な挨拶になります。

乾杯をする時もお辞儀をする時も、一回一動作の方が美しく思えますが、同時にする側も、される側も好感が持て、安心し、気分が安らぎます。

ゆとりも生まれるということです。

ゆとりが生まれれば相手に思いやりも発揮できます。

この事はすべての動作に該当すると考えます。

さらに「今」に心を込め、神経を集中させると、「次」にやるべきことが見えてくるようになります。


人には様々な欲求があります。
自由で多様な生き方が尊重される時代ですから、昔に比べ現代人の欲求は計り知れないかもしれませんね。
いい面も多々あると思います。

しかし今を丁寧に生きることは非常に大切だと思います。
未来の大きな幸せを求めるより、今ある小さな幸せをしっかり感じたいものですね。
今が幸せであることが大事だということです。

他者との比較は無用で、あくまで自分らしい幸せを望めばいいでしょう。


お釈迦様の教えに
「過去を追うな。未来を願うな。
過去は過ぎ去ったものであり、未来はまだわかっていない。
今やるべきことに精いっぱい力を注げ」という言葉があります。

未来の不確実性と、それに依存する愚かさを戒めたのでしょう。

新型コロナで、このような状況に陥るとはだれも予想しませんでした。
世界中の学者もコロナの終息がいつになるかはわからないでしょう。

最近の政治家やマスコミに頻繁に登場している学者、コメンテーターの話に感動することは少なくなりましたが、お釈迦様の言葉には心打たれるものが多いですね。

世界屈指の長寿の人生を、「一回一動作」の心構えで、今を真摯に生きたいものです。

この記事を書いたプロ

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平松幹夫(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

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