まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
春の陽光を存分に浴び、さらに梅雨の恵みをたっぷり受けた草木は、元気に成長して、各地で色とりどりの花を咲かせてくれます。
凛とした美しさを誇る紫の花、幸せを呼ぶ黄色い花、情熱の赤い花などなど・・・。
春を華麗に彩る桜もいいですが、夏に日本各地で咲き乱れる花は、照り付ける陽光のもと、瑞々しくて元気で、新型コロナと暑さにつかれた身も心も癒してくれます。
7月に入り各地で山開き、海開き、川開きが行われ本格的なレジャーシーズンを迎えますが、今年は新型コロナの影響で、例年のように開放的とはいかないようですね。
しかし山開き・海開き・川開きは、本来は自然や神様・仏様・ご先祖様への畏敬の念が込められており、安全を祈願する行事です。
素敵なマナーを発揮するよう心掛けて頂ければと思います。
ところで和風月名では7月は「文月」ですが、短冊に詩歌をしたため、裁縫や作文や書道の上達を祈る「七夕行事」に由来します。
ちなみに7月7日の「七夕」は五節句の一つですが、お盆に仏様をお迎えするために、穢れを払う神事に関連しています。
日本には古来、正月と盆の前には穢れを払って清める行事が存在したわけですが、その影響もうけているようです。
正月は神様の里帰りの日で、盆は仏様の里帰りの日ですが、体と心を清め、純真な心で神様・仏様をおもてなしした先人の心意気が、今の日本の「おもてなし」の原型ではないでしょうか。この気持ちはいつまでも大切にしたいですね。
そして7月7日は二十四節気の一つ「小暑」でもあります。
いよいよ本格的な夏になるという意味ですが、今年の夏は暑くなりそうですよ。
さらに令和2年の7月19日は「土用入り」で、21日は「土用丑の日」、さらに22日は二十四節気の一つ「大暑」です。
一年で最も暑い頃といわれていますが、相手の体調を気遣う「暑中見舞い」もお忘れなく。今年は何かと内容が多くなるのではと思いますが、如何でしょうか?
一年で一番暑いとされる夏の土用は「雑節」の一つですが、土用丑の日は昔からウナギやウドンや梅干しなど、「う」の付く食べ物が良いとされています。
免疫力強化が問われている今年の夏には、ウナギがさらに人気が出そうな気がしますが、日頃の生活習慣も大切にしてくださいね。
また、この暑い時期に涼をとり清々しくあるために欠かせないのが「扇子」でしょう。
クールビズの影響を強く受け、売り場には様々な扇子がありますが、扇子は日本が発祥の地で、邪気を払うためのもので、蚊や蠅を払う「団扇」とは作られた目的が異なります。
今年の夏は扇子を愛用して、涼を上手にとるとともに、新型コロナウイルスといわれる邪気も同時に払いたいものですが、くれぐれも周囲に注意してください。
加えて例年だと、各地で「夏祭り」が開催されますが、今年は取りやめのところが多いようです。
春には五穀豊穣を祈願し、秋には豊作を感謝する目的で祭りが開催されるケースがほとんどですが、夏祭りの目的は、高温多湿なこの時期に発生しやすい疫病退散を祈願するものが多く、本来ならコロナ禍の夏にはぴったりと思うのですが、中止は残念です。
「三蜜」を避けるため致し方ないのでしょうが、日本独特の文化もコロナには太刀打ちできませんね。
しかし、あの手、この手で疫病退散を試みた先人の心意気は、科学の発達した現代でも参考になるものが多いように思うのですが・・・。
最後にカビや食中毒対策、熱中症対策、コロナ対策等何かと大変な時期ですが、ストレスはほどほどで、栄養、休養、睡眠はしっかりとって、元気で夏をお過ごしください。無理をしないで下さいね・・・。