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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1936《「袋の味」と「お袋の味」!本当に大切なのはどちら?》

2020年3月29日

テーマ:日常生活におけるマナー

コラムカテゴリ:くらし

桜の開花と共に陽気が良くなるこの時期は昔から花見や「野がけ」の季節です。
と言っても都会では旬を感じることも少なく、野がけを楽しむことも無理かもしれませんね。

ちなみに「野がけ」とは「野原で遊ぶこと」で、早い話「山菜摘み」と捉えて頂いたらいいでしょう。

もとは山の神様や野の神様と野山で遊び、春に芽生えたばかりの息吹を身体に取り込んで元気をつける意味があります。

田舎に住んでいる私にとって「野がけ」はこの時期の楽しみの一つですが、国土の七割を山林が占め、四季が豊かな日本では「若草摘み」は、万葉の頃から親しまれていた年中行事です。

今とは比較にならないくらいモノが貧しかった時代ですから、ある意味では野がけは単なる遊びというより、生きる知恵だったかもしれませんね。

いま日本は世界屈指の「美食の国」そして「飽食の国」になりました。
食材も、調味料も、台所にある調理器具も、料理の種類も恐らく世界のトップクラスでしょう。

学校給食もレストランも加工食品も大変充実しています。
素晴らしいことですが、良いことばかりではないようです。

孤食、朝食の欠食、個食、固食、濃食、粉食などの「コケッココ症候群」といわれる現象ですが、この言葉はあまり知られていません。
恐らく関心が薄いのでしょう。

働く親が増え、家庭で料理を作る時間がないなど色々な原因が考えられますが、30年以上テーブルマナーに携わってみて、あるいは学生や新入社員の様々な研修会講師を経験してみて、食事の大切さや料理に関心が薄い母親が増えている気がしてなりません。

例えば子どもの進学などの教育に関する講演だと大勢の参加がありますが、テーブルマナーや料理に関する内容は少ないのが現状です。
しかし子どもの発育期における「食事の在り方」はとても大切です。

学校給食は確かに充実しています。
味、栄養面、料理の種類などすべての面で優れているので頼りになり助かります。
しかし完璧ではないと思います。

「おふくろの味」「家庭の味」といわれますが、それは幼少期に経験した家庭料理やそれにより形成された味覚であり、独特の味付けが施されているからです。

毎日食べても飽きない味であり、心がホッとする味で、昔は誰しも「自分はこれで育ったおふくろの味」があったものです。それは世代や地域により異なりますが、肉じゃが、カレー、みそ汁などが多いようですね。

これに対し調理済み、半調理済みのレトルト食品、インスタント食品、冷凍食品などは殆どが袋に入っているので「袋の味」です。見た目も味も、美しさも、誰が食べても満足できる味で、非常時にも役立つ大変魅力的な内容ですが「他人の味」です。

「お袋の味」と「袋の味」。どちらに重きを置くかは家庭の事情や親の考え方で、それぞれ異なると思いますが、ただ親と一緒に暮らしているのに「親の味」を知らずに育った子はかわいそうな気がします。

「お袋の味」と「袋の味」は共に大事ですが、異なる点は心がこもっているかどうかでしょう。子どもは親が手間暇かけて作った料理を食べて、つまり母親独特の味を味わうことで、親子の心が通じ合えると思うのですが・・・。

他人の力を借りず、自ら手間暇かけて大切に育てることを「手塩にかけて育てる」といいます。

花や野菜や動物など対象は広いですが、共通することは愛情が注がれていることです。そして「手塩にかけた子ども」の場合、母親が手に塩を付けておにぎりを作ってくれますが、それを食べた子どもは、母親の手のぬくもりを肌で感じることができるわけです。

昔は不浄なものを払うため塩が添えられたのですが、子どもの好みに合わせて料理の塩加減を母親はきちんと調整してくれます。袋の味では味わえない味です。

この記事を書いたプロ

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