マナーうんちく話90≪懐紙の優雅な使い方≫
日ごとに秋の深まりを感じるようになりましたね。
秋の語源は穀物を始め、食べ物が飽きる程市場に出回るから「飽きる」が転じて秋になった説が有力ですが、稲刈りも済み今年も新米が楽しみな時期になりました。
日本の食料自給率は先進国ではワーストの水準で、現在は約37%だそうですが、相変わらず「美食の国」「飽食の国」です。
世界でも大変贅沢なものを食べている国と言えるでしょう。
しかし日本でコメの自給率が100%になったのは1960年代だったそうです。
つまりそれまでは麦やイモなども主食の一部として食されていたわけです。
だから江戸時代、明治時代、大正時代、昭和の中頃までは、美味しい白い米のご飯を腹一杯食べたいと願う人は多かったと思います。
明治の初め、当時の青年の多くは麦飯を食べていたので、軍隊に入れば「白い米のご飯が腹いっぱい食べられる」と喜んだという話もあります。
ところで皆さんは、一日のどれくらいの米のご飯を食べますか?
ダイエット、糖質制限で控えている人も珍しくないと思いますが・・・。
ちなみに昔の食生活は貧しく、おかずが極端に少なかったのでご飯ばかり食べていたようです。
ここで質問です。
「一合」とか「一升」という単位をご存知でしょうか?
日本古来の体積の単位で「尺貫法」です。
ちなみに一合とか一升という単位は「枡」で図ります。
つまり容積で図ったということです。
その理由がわかりますか?
何もかも充実した現代では想像しがたいかもしれませんね。
実は昔は今のように重さを正確に測る技術が発達していなかったからです。
1合は150gです。
1合の10倍が1升です。
1升の10倍が1斗(いっと)で、米1俵は4斗です。
つまり1㎏は約6,7合で、標準の茶碗で16杯分でしょうか。
参考までに、茶碗一杯には約3250粒の米が入っているそうです。
また1合は、個人差は大いにありますが、普通2人前といわれています。
そして一斗の10倍は「1石」です。
私が生まれ育った町は5万石の城下町ですが、5万石とは5万人を養えるということです。
さらに今でもご飯を炊くときに、先ず米を洗うわけですが、この時「米を研ぐ」と表現する人もいます。
これはまだ精米技術が発達していなかったときに、米と米をこすり合わせて、研ぐようにして糠(ぬか)を落としていた時の名残だと思います。
私は普通にコメを洗うといいますが、皆さんはいかがでしょうか・・・。
いずれにせよ、炊き立ての美味しいご飯を食べる時は、日本人であって良かったと実感しますね。
だからこそ、姿勢を正し、食事と真摯に向き合い、美しく食べたいですね。
飽食の国、美食の国の日本では料理番組が氾濫していますが、食べ方が気になることが多々あります・・・。
皆様はいかがでしょうか。
「カラスの勝手」と言われればそれまでですが・・・。