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平松幹夫

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コラム

マナーうんちく話1819《日本のしきたりの意味と由来⑤「葬儀の際の清め塩」》

2019年4月14日

テーマ:弔事のマナー

日本は少子化と超高齢化が同時に進行している国ですので、新たに生まれてくる子どもより、高齢のため亡くなる人の方が多い時代を迎えています。
多死時代」です。

従って葬儀に参列する機会も多いと思いますが、葬儀に関するしきたりやマナーは複雑で、首をかしげるものも多々あります。

ところで葬儀の際、会葬の礼状とともに、小さな袋に入れられた「塩」を渡された経験をお持ちの方は多いと思います。

これは「清めの塩」で身体を清める目的があります。

もともと神道では死を穢れとして扱ってきたので、この穢れをはらうために塩で清めますが、仏教は穢れの概念はないのではないでしょうか。

にもかかわらず、仏式の葬儀で塩が配られることが広まった理由は、日本ではそれだけ神道の影響力が強いのではないかと思います。

ちなみに死を穢れとして扱うのが定着したのは、平安時代に編纂された法令集「延喜式」からだといわれています。

加えて今でも葬儀後に塩で身体を清める人が多いと思いますが、塩で清めるのは故人の霊ではありません。
人の死にまとわりついている邪気を払うためです。

また清め塩で清める場合は、家に帰って、玄関に入る前です。
玄関の中に入ってしまえば、同時に穢れも入るので、入る前に順に胸、背中、足元の3か所に軽く振ればいいでしょう。

しかし最近は会葬お礼に塩が付かない場合もあるようです。
穢れを「汚れ」とか「汚い」と解釈する人もいて、故人に対して失礼と捉えるからだと思います。

繰り返しになりますが、故人の霊ではなく、それにまとわりついている邪気を払うために塩を振ると捉えればいいと思います。

ただ清めは塩だけではありません。
通夜振る舞いや葬儀後の食事や酒を飲むのも清めになるともいわれています。

ちなみに日本では、公立の学校では宗教教育がなされておりません。
特定の宗教や宗派を支持する可能性があるという理由で・・。

しかし宗教に関する偏見や誤解を是正し、宗教の知識や理解を深めることは、人の社会生活上とても大切なことだと考えます。

特に今のように超高齢化の進展が著しく、多死社会を迎え、葬儀に参列することが非常に多くなってきたら、宗教の知識は必要だと痛感します。
日本を訪れる外国人は年増えています。
外国人は宗教にはとても敏感です。
知識がなければ、どのように振舞えばいいのか分かりません。

日本では「右に倣え」の風潮が根強く残っていますが、見よう・見まねの立ち居振る舞いには限界があります。

また霊や穢れをどのように取り扱うかは分かりません。
とても大事なことだと思うのですが・・・。

例えば香典の表書きにしてもしかりです。
「御霊前」と表記するか「御仏前」が正しいのか?
あるいはどちらでもいいのか?

この事にかんしても、霊や仏をどのようにとらえるか?がきちんと理解できていなければ分かりません。
だから現状では自分なりに勉強するしかないと思います。

元号が新たになることを機に、自国の歴史や宗教や礼儀作法に関心を持つことはとても大切なことだと考えます。

そして霊に対する知識を自分なりに習得したうえで、「清めの塩」を使用するか、否かは自分自身で判断されたらいいと思います。

この記事を書いたプロ

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