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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

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コラム

マナーうんちく話1818《日本のしきたりの意味と由来④「盛り塩」》

2019年4月12日

テーマ:ビジネスマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

花冷えを超えた真冬並みの寒さに見舞われましたが、この時期になると「春告げ鳥」の鶯の声がとても近くで聞こえるようになります。

新芽が萌えだし、小鳥がさえずり、多種多様の花が咲き乱れ、多くの命が躍動するこの季節。

これといった要因はないのですが、なんとなく「何かいいことが起こりそうな・・・」、そんな前向きの気持ちになりそうです。

平成最後の春爛漫の時節だから余計にそのように感じるのかもしれませんね。

そして間もなく新元号である「令和」の時代の幕開けです。
気分も新たに、身も心も美しく、人生を前向きに歩みたいものですね。

しかし気分だけで順風満帆の人生が歩めるほど現実は甘くはありません。
何時災害や病気や飢餓のような邪気が襲ってくるかわかりません。
それなりの備えも必要でしょう。

日本人は古来、不浄な穢れを払い、清める努力を怠りませんでした。
だからいろいろな「邪気払い」のしきたりが今でも多々あります。

特別な場合に行う邪気払いもあれば、日常で繰り返させる邪気払いもあります。
今回のテーマである「盛り塩」「清めの塩」もそうです。

ちなみに邪気を払う方法は実に多様で、風鈴のような音もあれば、菖蒲や鰯の頭のような強烈な匂いもあるし、柊のようなとげとげしいものもあります。

加えて米、麦、豆類の穀物にも邪気払いの力があると信じられていました。

さらに「塩」には不浄な穢れを払う力とともに、清める力があると考えられてきました。

漬物に大量の塩を使用しますが、塩には腐敗を防ぐ効果があり、食物を長期に保存できる力があるので、特に神秘な力が働くと先人は考えたのでしょう。

また酒を飲むと気分が良くなり、ほろ酔い気分に浸れます。
渋柿の皮をむぎ、吊して干すことで甘い柿になります。

科学には縁のなかった時代には、そこには人の力を超越した神の力が働くと考えられていたようです。

神事の際に神前にお神酒を供えたり、正月のお飾りや鏡餅に吊るし柿を添える理由がなんとなく理解できますね。

そして清めの塩にはいろいろありますが、身近に存在するものは、塩を円錐形に盛り、玄関先や家の中に置く「盛り塩」があります。

これは商家などが招客のために行う縁起担ぎと、厄除け・魔除けの意味があります。
なお塩の盛り方には定まった形はないようです。

ではなぜ塩を玄関に盛るのか?
諸説ありますが、中国の故事が良く知られています。

当時の始皇帝などの皇帝は絶大な力を有しており、非常に多くの妻がいました。
その妻の家を毎晩牛に乗って尋ねるわけですが、何しろあまりにも多くて、どこの家を訪ねたらいいのか判断に苦しみます。

そこで乗っている牛が立ち止まった家を訪問することにしました。

それを知った、ある賢い妻が、牛の好きな塩を玄関に盛って、牛を止めて、皇帝の寵愛を受けたということで、そこから玄関に塩を盛れば千客万来につながり、縁起がいいとなったわけです。

従って盛った塩は出来れば毎日変えたほうがいいですね。
物理的に難しいようであれば、できる限り定期的に交換して、盛った塩は処分した方がいいかもしれませんね。

使用する塩は、化学的につくられたものより「天然の製法」のものがいいでしょう。

次回は「葬儀の時の清め塩」に触れます。

この記事を書いたプロ

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