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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1817《日本のしきたりの意味と由来③「おめでたい時の赤飯」》

2019年4月10日

テーマ:祝い事のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

入学や入社、あるいは栄転などでお祝いをしている人も多いと思います。

日本では古来出産、入園・入学、長寿の祝い、さらに結婚式などのおめでたい席には鯛のオカシラと赤飯がつきものでした。

今でも結婚披露宴などの席では引き出物として赤飯が付きますね。
とにかく日本人は今も昔も赤飯が好きなわけです。

ではなぜ目出度い席には「赤飯」なのでしょうか?

目出度い席の赤飯の歴史は古く、すでに鎌倉時代には宮中において3月3日、5月5日などの節句には振舞われていたといわれています。

そして江戸時代になると、祭りや儀式など日常とは異なることを行う「ハレの日」に食べるご馳走になったようです。

特に昔は栄養状態や衛生状態も悪く乳幼児の死亡率は大変高かったので、生後七日目の「お七夜」、生後100日目の「お喰い始め」のときなどには赤飯が重宝されたとか。

また今は非常に少なくなりましたが、月の一日と十五日には赤飯を食べる習慣がありました。

ところで赤飯は小豆をもち米に混ぜて蒸して作りますが、赤飯を炊いたらご近所にも配る習慣が残っている地域もあります。
ただ赤飯そのものを炊くおうちは非常に少なくなりました。

ちなみに家で赤飯を炊いたら、重箱に入れ、南天を載せ、ゴマ塩を振ったりします。

防腐効果等もあるようですが、古くから南天は難を転じ、福をもたらすと考えられていたからです。

また大豆の赤い色には邪気を払う効果があると信じられていました。
だから慶事には厄除け、魔除けとして赤飯を炊き南天を添えたのでしょう。

米が中国から日本に伝わったのは今から2200年位前だといわれていますが、実は当時の米は今のような白米ではありませんでした。

いわゆる「赤米」で、その当時は赤米を神様にお供えする風習があったようです。

しかし江戸時代になると稲作技術が非常に発達して、赤米よりおいしくて収穫量が多い白いコメが中心になり、赤米が姿を消していきました。

そこで白米に小豆を入れ、蒸して赤色にした赤飯がお目見えし現在に至るわけです。

小豆は良質のたんぱく質やビタミンB類、鉄分、ポリフェノールを含む優れた食べ物ですが、「赤色の邪気払いの効果」が、実はめでたい席で赤飯が供される大きな理由ということです。

結婚式に赤飯が出される理由をさらに詳しく触れてみます。

花嫁の「春子」が、「太郎」の家に嫁ぐとします。

春子の実家を出て太郎の家に着くまでは、花嫁の春子は実家を出たので春子の実家の人ではありません。
しかしまだ太郎の家についていないので、太郎の家の人でもありません。

つまり春子はこの時点では大変不安定な状況下にあるわけで、そこに向けて邪気が春子を襲いにやってきます。

だから邪気を払う力があると信じられている小豆で作った赤飯を炊くわけです。

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