マナーうんちく話1798《もうすぐ雛祭。大切なことは豪華さより本来の意味》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

1月はいぬる、2月は逃げるといわれますが、この時期になるとすっかり日差しも長くなり、春の足音が大きくなってきます。

そして草木が芽吹き、遠くの山々に霞がかかり、春らしいのどかな光景が見られるようになります。

科学的には「霧」も「霞」も同じだそうですが、春は霞という言葉がお似合いですね。

ところで四季が豊かな日本の暦には一年間の節目が沢山あります。
一年を72に分けた「七十二侯」、24に分けた「二十四節気」が一般的ですが、大きく分類した「五節句」があります。

五節句は公的行事として江戸幕府が定めましたが、3月3日はその一つの「上巳の節句」です。

この時期は旧暦では桃の花が咲く頃ですから「桃の節句」ともいわれます。

ちなみに上巳とは3月最初の巳の日で、この日は昔から邪気に見舞われると考えられていました。

邪気とは災害や病気や飢餓ですが、平安貴族は自分たちに降りかかる邪気を紙で作った人形で体を撫でて、人形に穢れを乗りうつらせて川に流す「流し雛」の行事を行っていました。

それがやがて人形を飾って、娘の健やかな成長や幸せを願う行事となったわけで、物が豊かになった今では非常に豪華な人形が登場してきたというわけです。

かつて日本には「不浄」つまり「穢れ」を忌み嫌い、「清浄」つまり「ハレ」を尊ぶという習慣があり、今でも川や海で禊(みそぎ)をすることがあります。

話は少し飛躍するかもしれませんが、和食を頂くときに「おしぼり」が用意されます。これは本来の意味は手を清めるためです。

食べ物は命を繋ぐとても神聖なものですから、それを頂くときには手を清めて頂くということです。

和食ならではの精神文化で、西洋料理のナプキンとは意味がことなります。

ところで「雛人形」を飾るということは、娘が身も心も美しく育って欲しいという願いを込めるということです。

従ってそのことを子どもに、そのことをきちんと教えて頂きたいものです。
豪華さを競うことより大切だと思うのですが・・・。

また強い願いを込めるので、それなりの「しきたり」や「作法」めいたものも尊重していただきたいものです。
次回に続きます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岡山
  3. 岡山のスクール・習い事
  4. 岡山のカルチャースクール
  5. 平松幹夫
  6. コラム一覧
  7. マナーうんちく話1798《もうすぐ雛祭。大切なことは豪華さより本来の意味》

平松幹夫プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼