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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話34≪乾杯のマナー≫

2011年1月6日 公開 / 2012年4月20日更新

テーマ:洋食のテーブルマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事


マナーうんちく話34《乾杯のマナー》

1月6日は24節季の一つ「小寒」。
冬の寒さが厳しくなる頃ですが、まるで暦に合わせたように寒波がやってきましたね。
くれぐれも風邪やスリップ事故等にご注意ください。

ところで兎は日本人にとっては、古事記の「因幡の白兎」に登場したり、童謡で「兎追いしかの山」と歌われたりで、古来よりなじみの深い動物で、元気よくとび跳ねることから「飛躍」の象徴にされているのはご存知の通りです。

また、思いがけないハッピーに恵まれることを「兎の罠に狐がかかる」とか、物事が順調に進んでいくことを「兎の上り坂」といいますが、今年は特に兎年にちなみ、飛躍とか幸福を祈念した「乾杯」の掛け声が多く聞こえるのではと思います。

今回は年頭にふさわしい、お目出度い席、華やかな席でより華麗に振舞って頂くために「乾杯」を取り上げてみます。
私も33年間のホテルマンの仕事を通じ数えきれないくらいの「乾杯」に接してきましたが、実にいいものですが、乾杯についての知識、マナーを身につけていただければ、何倍も楽しくなると思いますし、場が盛り上がります。

①乾杯とは
パーティーなどの席で、会場の皆で揃って酒を注ぎ、それを同時に飲み干す儀式のことですが、その起源は国々で異なるようです。
日本では、もともとお酒は神様へのお供え物であり、五穀豊穣や健康長寿を祈願する儀式で大変神聖な意味を持っていました。
戦争が絶えなかった西洋では、仲直りの証としてワインで乾杯していましたが、グラスを互いに触れ合わせることで毒が入ってないことを示すためです。
※当時のワイングラスがガラス製ではなく金属製だったのでグラスを重ねていた。

②現在行われている乾杯スタイルの起源
1854年「日英和親条約」が締結された後の晩さん会の席上で、いわばお客さんに当たるイギリスの高官が、「わが国では会食に当たり、国王の健康を祝し、杯を交わす習慣がある」と言ったので、接待役の日本の役人が、失礼があってはいけないと思い、「それでは皆でそのように行おう」と言って起立して、杯を交わす時に「乾杯」と言ったのが最初だとされています。

③乾杯の役割
乾杯の前の堅苦しい儀式や挨拶などで、とかく緊張感漂う雰囲気を和やかにしてくれると共に、出席者全員で酒を同時に飲み干すことによる連帯感を生み、さらにこれ以後のパーティーを盛り上げてくれるという大きな役割が存在します。

④乾杯のマナー
とにかくおめでたい席にふさわしい「晴れやかな表情」が第一です。このことは音頭を取る人、一般の出席者も同じことです。笑顔・笑顔ですね。

起立して行う時は、「一回一動作」が基本です。
先ず起立して下さい。そしてグラス(杯)を持ちます。グラスを持ちながら起立しないでくださいね。ここがポイントです。
※司会を担当される人も、このように言ってあげたら親切ですね。

簡単な挨拶がありますのでグラスを持ったまま拝聴して下さい。グラスを持つ位置はおへそと胸の中間くらいでしょうか。

乾杯を行う時には主賓の方を向き、グラスを目の高さまで上げます。笑顔を添えて下さい。最初のグラスの酒は飲み干すのがいいです。酒の弱い方はこれで充分飲酒運転になりますので要注意。先ず車で行かないのがマナーですが、事情もあるので、車の方は軽く口をつける程度にして下さいね。

飲み終えたら全員で拍手を行います。

シャンパングラスの時にはグラスとグラスを触れ合わせてもいいと思いますが、それ以外は、グラス同士は会わせない方がいいかも。しかしそのようにし向けられたら軽くお付き合いするのがベターです。
但し、生ビールのジョッキは互いにカチンと合わせます。

⑤乾杯の音頭を頼まれたら
例えば和室で会席料理の席上などでは「三辞三譲」のマナーが存在します。すなわち、どんなお金持ちであろうと、どんなに社会的地位が高い人であろうと、三度は辞退し人に譲り、四度勧められたら受けるという「謙譲の美徳」のことです。従ってあくまで時と場合に寄りますが、和式の時は一度軽く辞退し、それでも進められたら受けるのがいいかも。※予め打ち合わせ済みの場合は別。
それ以外の場合は基本的には喜んで素直に気持ち良く受けることが大切です。

本来「音頭を取る」と言う意味は、皆で歌を歌う時に、調子を合わすために先に歌うことです。今では「手はずを整える意味」でよくつかわれますね。

先ず晴れやかな表情に心がける。次に出席者全員にグラスが行き渡っていることを確認。
さらに簡単に自己紹介、お祝いの言葉を発します。ポイントは自分の言葉で述べることです。そして大きな声で元気よく「乾杯」と言う。これでOKです。

私も数えきれないくらいの乾杯の音頭を聞いてきましたが、心に残る挨拶はごく一部です。それは、上手・下手というより、パーティーの目的にふさわしい内容で、自分の言葉で、心がこもっている挨拶です。長い挨拶は避けていただきたいものです。

慣れない時には大変プレッシャーがかかりますが、逆にいいチャンスです。前向きにいきましょう。上がり症の人は深呼吸が良く効きます。上手にこなそうと力まずに、上記の乾杯の目的・意義をよく認識して、あくまで「自分の言葉で心をこめて」です。

最後に「献杯」について簡単に触れておきます。
乾杯はお目出度い時ですが、献杯は葬儀・法事のとき等不祝儀の時に、参列者にお礼の意味を込めて宴席が用意されますが、その時におこなわれる、「祝い事の乾杯に当たるもの」です。お清めという神聖な意味も込められています。

乾杯と同じように一言挨拶が必要です。故人の死を悼む気持ち、故人に敬意を払う気持ち、遺族に対する思いやりの気持ちなど、心を込めて淡々と言えばいいです。

献杯が終わった後は基本的には拍手はしませが、もし拍手をするようであれば、それは故人の業績に対しての拍手だと思っていただいたらよいと思います。


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