マナーうんちく話266≪食文化と世界三大食法≫
洋食を食べるときに使用するナイフ・フォーク・スプンは、総称して「カトラリー」と呼ばれます。
英語では「cutlery」と表現されるように「切るもの」が語源といわれています。
ちなみに日本では生まれて初めてご飯を食べさせる「お食い初め」とか「箸始め」の儀式がありますが、ヨーロッパでは子供の誕生祝には銀のスプンを贈るそうです。
子どもが一生食べ物に困らないようにと願う気持ちは古今東西同じですね・・・。
そして和食は「橋に始まり箸で終わる」といわれますが、洋食のテーブルマナーの基本は「ナイフとフォークの使い方」です。
しかし、洋食に要求されるマナーは、ナイフとフォークの使い方だけではありません。
美しく、楽しく食べるためには、ナイフやフォーク、器やテーブルナプキン、さらに多種多様なグラス類の扱い方など、和食とは異なったマナーが必要です。
さらにフルコースの流れも知っておく必要があります。
フルコースは概ね下記のような内容で構成されますが、店や作り手や料金等でかなり異なる場合もあります。
〇食前酒と共に頂く、アミューズや前菜(オードブル)と呼ばれるおつまみ程度の料理。
〇スープはとろみがあるのが「ポタージュ」で、さらりとした「コンソメ」がありますが、スープは飲むというより「食べるもの」と捉えて下さい。
〇メインの料理は「魚料理」と「肉料理」ですが、前者はソースが豊富でムニエルやポワレなどフランス料理独特の調理方法があります。
また独特のフォーク・ナイフが用意されることがあります。
さらにソースを頂きやすくしたスプンもあります。
肉料理は牛肉、豚肉、シカ肉、鶏肉が一般的です。
〇最後にデザートとコーヒーで締めくくります。
パンは店により先に出されるばあいもありますが、スープとともに出されることもあります。
一口大にパン皿の上でちぎって食べ、必要ならバターを自分のパン皿に適量とってパンにつけて下さい。
以上がごく一般的なコース料理ですが、魚料理と肉料理の間に口直しのソルベが出る場合や、牛肉のステーキの後にチキンや七面鳥や鳩のローストが出る場合もあります。
さらにデザートの前にチーズが出されることもあります。
このような料理にはワインやシャンパンがよく合いますが、酒は弱いより強い人がいいかもしれませんね。
次に食べ方ですが、テーブルにあるナイフやフォークは外側から順に使用すればいいでしょう。
和食は多種多様な料理を同じ箸ですべてを頂きますが、洋食は全く異なり、料理により使用するフォークやナイフやスプンが異なります。
なぜでしょう。
次回に続きます。