マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
【言いたいけど、なかなか言えない理由】
プライベートやビジネスシーンで相手に言いにくいことを上手に伝えられなくて、気分がいらいらすることやした経験は誰しも多かれ少なかれあると思います。
その理由は概ね下記のようなことではないでしょうか。
〇相手が悲しむ姿は見たくない。
〇相手に叱られたくない。
〇無理して嫌われたくない。
〇反論されたり、無理難題を押し付けられても困る。
という思いは誰しも同じでしょう。
でも避けて通れません。
無理に避けて通ればそれだけ後悔することになりかねません。
【言いにくいことを上手に伝える心構え】
ではどう切り出し、どう伝えればいいのか?
先人の知恵も借りながら、今流の手法も取り入れ考えてみたいと思います。
窮地に陥った時には、後ろ向きにならないことが大切だと考えます。
正面からそれに向き合うことも大切です。
つまり言いにくいことを言って相手が嫌がる姿、悲しむ姿の悪い面ばかり考えるとどうしても気が進みません。
「逆手に取る」ということです。
言いにくいことを相手が正しく理解することにより、相手側にどれだけの理があるかということを考えてください。
加えて言いにくいことを伝える時、相手がどのようなタイプの人かについて、ある程度理解することも大切でしょう。
例えば相手が、口が立つ人だったら反論される可能性が大いにあります。
反論されてもその部分だけは凛とした態度が必要になるかも。
熱意や知識も必要だということです。
これが無理なら複数で立ち向かうとか、他の人にお願いするのも一つ手々だと思います。
【言いにくいこと、悪いことほど早めに】
例えばお見合いをして相手はこちらを大変気に入ってくれたが、こちらは相手をどうしても好きになれない場合。
無理をして、お見合い後も、だらだら付き合っても互いに傷が深まるばかりです。
相手のことも考慮しながら、好みが違うからとか、将来に対する考えが異なるからと言って、はっきりお断りした方が互いにすっきりします。
ホテルにおけるブライダルの仕事を通じ、好きでもないのに周囲が進めるままに結婚して、すぐに離婚したというケースを多く見てきました。
はっきり言えなかった代償は時と場合では非常に大きくなり、しかも周囲の多くの人に多大な迷惑をかけることになります。
言いにくいこと、悪いことは、時間が経過すればするほどその度合いが大きくなります。
最初が肝心だと心得てください。
【誠意ある断り方】
加えて言いにくいことを伝えるときには、相手の気持ちを考慮したいい方も大切です。例えば職場で一年の振り返りをして、さらに来年も互いに頑張ろうということで忘年会の誘いを受けました。
しかしその日はどうしてもほかの用事で参加できません。
どう断るか?
〇先ず、忘年会を企画して世話を焼いてくれることと、自分を誘ってくれたことに感謝の意を伝えます。
〇せっかく誘っていただいたのに、どうしても〇〇の理由で参加できない。ほかの日時なら喜んで参加したいのだけど等と言って丁寧に断ればいいでしょう。
できる限り相手が納得できる理由があればいいです。
〇これにこりず、何かあればまた是非誘っていただきたい意思を伝えてください。
断り方にも注意してください。
いかにも残念な気持ちが相手に伝わることが大切です。
大袈裟くらいがいいでしょう。