マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
猛暑の名残もすっかりなくなり、気温が下がって、庭や野の草花に結ぶ露にも、寒さが感じられるようになりました。
これから昼と夜の寒暖差が次第に増し、山々は色づき、一年でも最も美しい時節を迎えるわけです。
10月8日は二十四節気の一つ「寒露」です。
晩夏から秋にかけて、草花に宿る冷たい露を先人は「寒露」と表現しました。
9月7日は、草花に降りる露が白く見える「白露」でしたが、それから約ひと月立ちますので、気温はさらに低くなり、寒露と名付けられたようですね。
そしてさらに温度が低下すると、露は霜へと変わります。
10月23日の「霜降」となるわけです。
昔も今もそうですが、農業を営む上で気温はとても大きな要因です。
適度な日照時間や雨のように、作物の成長に良い要因は上手にそれを利用すればいいわけですが、成長に害を及ぼす要因はかなり注意するとともに対策を練らなければなりません。
畑仕事にとって霜は大敵です。
冬野菜のように霜に当たれば甘みが増す野菜もありますが、大敵になる野菜も多々あります。
だから先人は、露や霜を細かく観察して注意を促すために「霜降」という名前を付けて、あえて二十四節気に組み入れたのだと思います。
このコラムでも触れましたが「八十八夜の忘れ霜」という言葉もあります。
八十八夜といえば茶摘みの季節で暖かくなり、天候は良くなる時ですが、たまに霜に見舞われることがあります。
天気が良くなり油断して霜に注意を払わなくなったら、急に霜が降ってくることもあり、油断大敵を諭した言葉です。
今は飽食の国になり、食べ物にはそんなに重きが置かれないかもしれませんが、昔はまさに「生きることは食べること」です。
米や麦や野菜の出来不出来により生活が大きく変わるわけです。
不作が続けば即命に直結するような時代だから、天候には神経を払ったわけですね。
ちなみに一年を24等分した「二十四節気」と、それをさらに3等分した「七十二侯」はいずれも農作業の大きな目安になるわけでが、「気候」は二十四節気の「気」と七十二侯の「候」の字を結び付けた言葉です。
ところで10月9日は体育の日ですが、2000年までは体育の日は10月10日でした。
統計的にいい天気の日が多いようですが、東京オリンピックの開会式を記念して制定された祝日です。それが今では10月の第2月曜日になりましたが・・・。
そしてこれからは「弁当忘れても傘忘れるな」の天気になります。
天気の変動にご注意ください。