まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
梅がそろそろ見納めになりましたが、桜はまだ早い。
こんな時に目を楽しませてくれるのが桃です。
気温が上昇し「桃の花が笑う頃」になりました。
桃も梅や桜と同じように、葉が出る前に花が咲きますが、特に水分が多いので昔は「水菓子」と呼ばれ重宝されていたようです。
そして桃の花が咲くようになると、野や畑には蝶々がお目見えし、華麗な舞を楽しませてくれます。
ところで最近はあまり耳にしたり口にしたりすることが少なくなりましたが「彼岸入り」や「彼岸の中日」という言葉をご存知でしょうか。
春分の日と春分の日を挟んだ前後3日間、合計7日を彼岸と言いますが、3月17日が「彼岸入り」で、3月20日の春分の日は「彼岸の中日」と呼ばれます。そして3月23日(木)が「彼岸明け」です。
ちなみに仏教では様々な欲望や迷いがうずめくこの世が「此岸(しがん)」、悟りの境地を「彼岸」と言います。
彼岸が7日あるのは、日常生活の中に多々ある迷いや煩悩を振り払い、悟りを開き、極楽浄土の精神に近くなる為には修業が必要で、その期間が合計7日間必要であると言われています。
ではなぜお彼岸に墓参りするのでしょうか?
昔は先祖の霊が眠り、阿弥陀仏が住んでいる極楽浄土は西方にあると信じられていました。
極楽浄土は西に位置し、煩悩や迷いに満ちたこの世は東にあると信じられていたようですね。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
だから極楽浄土と一番近くなるので、墓参りをするのが一番ふさわしい日になると考えられたのでしょう。
また正月は神様が里帰りするので、神様をお迎えして、お持て成しをして、お見送りをする日です。
盆は仏様が里帰りする日で、仏様をお迎えして、お持て成しして、お見送りします。
それに対して「お彼岸」は、ご先祖様が眠むられているお墓に、こちらから出向いて行って、先祖の霊を供養し、感謝するとともに、近況報告する日です。
つまり墓参りの目的は供養とお願と感謝です。
神様(神道)・仏様(仏教)の国日本では最も大切にしたい年中行事です。
だから可能な限り家族みんなで墓参りをされる事をお勧めします。
家族や親族が共に墓参りすることで絆が深まります。