マナーうんちく話1354《みっともない食べ方気になりませんか?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

「天高く馬肥ゆる秋」。
今年も各地で開催されている様々なグルメフェアの様子が伝わってきます。

いつも気になるのが食べ方です。
確かに堅苦しいことは抜きにして楽しくやろう、ということは理解できないことも無いのですが・・・。

それでも、「見た目」で美しい食べ方か?そうでないか?という観点から考えると、色々な事に気づきがあります。

たとえば高級食材を使用した、いわゆる「A級グルメ」はおしとやかに食べて、手軽な食材で作った「B級グルメ」は、マナーは抜きでとにかく楽しく食べればいいという考えには疑問を感じます。

特に賑やかなイベント会場での食事は、往往にして多数決の理論が働き、みっともない許容点がかなり高くなっている気がしてなりません。

「勿体ない精神」同様、「みっともない精神」にも気配りが欲しいものですね。楽しく食べることと、真摯な気持ちで食べることは異なりますが、楽しくて真摯な気持ちで食べることは可能です。

たとえば食べることは「自分の命を長らえるために食材の命を頂くこと」ですから、いくら大勢の人がいる野外で有ろうと、楽しい雰囲気の中にも真摯な気持ちで食することは必要です。

「・・・ながら食」は感心しません。
肘を突いたり、足を組んだりしての食べ方もしかりです

加えて開放的な屋外での食事は比較的大口になりがちですが、口の中に一杯食べ物を詰め込んでの食べ方も感心できません。

食事をする時に「一口分」の美しい食べ方が有ります。
健康的とか、若者らしいとか逞しくてよいとの評価もありますが、あのような食べ方が健康的であるとはとても思えないし、見た目にもみっともないと考えます。

そんな食べ方で快感を得ること自体がおかしいと思うのですが・・・。

まだモノが無くて貧しい時代には、食べ物にあり付けた時に食いだめをしておこうと「食い貯め」になったりします。さらに戦時中には、人目を気にせず食う「野武士食い」が横行していたそうですが、今はそのような食べ方には無縁です。つまり幸せな時代だということです。

高級レストランであれ、家庭であれ、イベント会場であれ、食べ物を頂く時の心構えは大切です。

背筋を伸ばし、正しい姿勢で腰掛け、テーブルと腹の間は概ね握りこぶし一つか二つくらいで、足は組まない、ひじはつかない食べ方を心掛けて下さい。

口に運ぶ量は一口サイズで、ゆっくり噛んで、食べ物に口をつけるのではなくフォークやナイフあるいは箸を口に近付ける食べ方が美しい食べ方です。

このような食べ方は「堅苦しい」という意見もありますが、慣れればこれが本来一番美しくて楽しい食べ方で、同席者からも好感が持てます。
このような食べ方こそが、本当に健康的な食べ方だと思うわけです。

どこであれ、少なくとも誰が見てもみっともない食べ方は感心しません。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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