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平松幹夫

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平松幹夫(ひらまつみきお) / マナー講師

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

コラム

マナーうんちく話1305《日本人なら知っておきたい「熨斗紙」と「鮑」と「水引」の関係》

2016年9月10日

テーマ:贈答のマナー

コラムカテゴリ:スクール・習い事

秋の語源は「食べ物が飽きるほど出回るから《飽きる=秋》」になったという説が有力ですが、まさに美食の秋到来で、美味しいものが沢山お目見えする頃になりました。

「アワビ」もその代表格で、和食、洋食、中国料理においても高級食材とされています。

アワビは日本全国の比較的浅い岩礁に生息しているので、海の中でも簡単に見つけることが出来るそうです。美味な高級食材でしかも割と簡単にとれるから密魚が多いという話を聞いたことが有ります。

婚礼や結納時に「ハマグリ」が供される理由は、ハマグリは上と下の貝殻が同じ貝でないと会わないので夫婦和合を意味するからですが、「アワビ」の名前の由来は身が貝殻からはみ出しているように見えて、貝殻と合わないから「合わない身」が「アワビ」になったと言われております。

そして昔から神事と密接な関係が有り、神事にはアワビが付き物でした。
しかし比較的簡単にとれると言っても海の生き物ですから毎回容易く手に入れることは困難です。

そこでアワビを薄くそいで、それを伸ばして乾燥させたもの、つまり「熨斗鮑」が考案されて、それが奉納されるようになります。

そして時代が進み印刷技術の発展に伴い、熨斗鮑が図案化され、「熨斗紙」となり、贈り物に付けられるようになったわけです。

ちなみに、もともと日本では祝い事には海産物を贈る風習が有ったようで、そこから贈答品には「熨斗紙」をつけるようになったと言われています。

熨斗紙は奉書紙に「熨斗」と「水引」を印刷したものでそれぞれいわれがあります。つまり贈る人の真心を伝えるということです。

魚介類はどちらかと言えば生臭いものです。
祝い事には魚のように生臭い物を食べていた風習があったようです。
アワビもしかりです。

だから生臭い魚介類に、生臭い熨斗をつけるということは、生臭さが倍増します。改めて魚介類に熨斗をつける必要はないということですね。

また紅白の飾り紐を「水引」といいますが、「蝶結び」と「結び切り」が有ります。水引の役割は贈り物をしっかりと結びとめることですが、先人は結び方にまで思いを込めたのでしょうね。
本当に素晴らしい文化だと思います。

ところで水引によく似ている草花をご存知でしょうか。
「水引草」です。

丁度今頃が旬なのですが、上から見ると赤く見え、下から見ると白い小さな花が無数に細長い穂に点々と咲いています。

祝儀の水引はここからそのなまえがつけられています。
ちなみに水引草は全国各地の山野や庭先で普通に見ることが出来ます。

熨斗紙の熨斗は海の幸「アワビ」、そして水引は野山に自生する「水引草」を図案化したものと覚えて頂けたらいいと思います。

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