マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
お盆はご先祖の霊をお迎えし、お持て成しをして、お見送りする行事です。
地域により違いもありますが、概ね13日に「迎え火」を焚いてお迎えして、16日には「送り火」を焚いてお見送りします。
最近は火を焚くのが難しくなっている所も珍しくありませんが、地域で纏めて行う所もあるようです。
先祖の霊、つまり精霊は亡くなってからまだ比較的時がたっていませんので、特に丁重にお持て成しをして、お見送りする必要があります。
なぜなら昔から精霊にたいして粗相が有ると「たたられる」と考えられていたからです。
では、どうすれば丁重なお持て成しをすることが出来るのか?
太鼓をたたいて賑やかに踊るわけです。
これが盆踊りです。
ただ長期間のこのようなおもてなしは負担になります。
だから数日間だけ仮装して、非日常的な世界を作り出して、精一杯お持て成しします。
太鼓に美しい歌声などを交えて、出来る限り賑やかに楽しく踊りを披露し、先祖の霊に喜んでいただくわけです。
日本全国津々浦々地域独特の盆踊りが有りますが、最近では町おこしにも一役買っている所もありますね。
哀愁の漂う三味線や太鼓の音に合わせ、浴衣姿の老若男女が、公園やお寺でやぐらを組んで踊る姿は、その地域で何百年も続いた伝統行事です。
過疎化で寂れた所もありますが、大きな観光イベントになっているのもあります。
今の盆踊りはテンポも早く、踊るのにかなりエネルギーが必要なものもありますが、本来は先祖の霊と共に夏の宵を過ごす日本人ならではの行事です。
哀愁が感じられる踊りが盆踊りらしくていいと思うのですが・・・。