マナーうんちく話90≪懐紙の優雅な使い方≫
日本は世界屈指の「飽食の国」、「美食の国」になったお陰でグルメ番組が非常に沢山あります。グルメ本しかりです。
何不自由なく、好きな物が好きなだけ食べられることは、本当に幸せなことだと思います。感謝!感謝!です。
加えて、食の安心・安全面においてもとても優れています。
むしろ過敏な位でしょう。
しかし「食べ方」はお世辞にもいいとはいえません。
最近グルメ番組や食堂などにおいて、箸の持ち方が大変気になります。
正しくない箸使いで食事をすれば、それ自体が同席者に不快感を与えることにもなりかねません。
そしてなによりも、一口分以上の量を口に運ぶ結果になるので、口元や箸先を汚してしまいます。
足を組んで食事をしている人も珍しくありませんが、この格好での食事も頂けません。
テーブルマナーは「食べる」という行為に対し「心の美しさ」を加味したものですから、食事の時は真摯な気持ちになって頂きたいものです。
その気持ちの表れが姿勢であり、正しい箸使いです。
「箸先5分、長くて1寸」という言葉があります。
1寸は約3㎝で、5分はその半分です。
つまり「箸先の汚れは少ないほどいい」という訓えです。
こんな話があります。
お客様に食事をサービスした女中が、お客様が食事を終えて帰った後に、その人が使用した箸を灰に付け、その汚れ具合を測り、そのお客様の品格について語り合ったというお話です。
米を主食にしている日本人なら、箸は日常茶飯事です。
しかし細かな作法が身についてない人が多いような気がします。
箸は食べ物を切ったり、掴んだり、口に運んだりする、日常生活で最も良く使う小道具の一つです。
だから箸先をあまり汚さないよう食べる癖をつけられたら、いいですね。
《マナーうんちく話545&546「箸使いに自信ありますか?」》《マナーうんちく話989「正しい箸使いとその多大な効能」》を是非参考にして下さい。
次回は美しい食べ方に直結する「一口サイズ」について触れます。