マナーうんちく話92≪優雅さが自慢!和の作法≫
「生きることは食べること」ですから、美しい食べ方は当然美しい生き方に直結します。
では、「美しい食べ方」とはどんな食べ方でしょうか?
一言で表現すれば「周囲への配慮」です。
具体的には食材や料理を作ってくれた人やサービスしてくれた人への感謝、同席者へ好感を与える食べ方等で、様々な作法が存在します。
中でも、同席者と「食べるスピード」を合わせることはとても大切です。
一人だけ早すぎても、遅過ぎても宜しくありません。
食事は同時にスタートして、同時に終わるのが基本です。
食事会などでは、その場の主賓のスピードに合わせばいいでしょう。
加えて同席者の「気持ち」に合わせることでしょう。
同席者の気持ちに合わせるのは非常に難しそうですが、やはり難しいと思います。
ではどうする?
「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、相手の気持ちに合わせるには、先ずは自分自身がテーブルマナーに精通し、心にゆとりを持つことが大切です。
つまり、かなりの人間力が必要になるということです。
場数を踏み、自分磨きに励んで下さい。
「ローマは一日にしてならず(Rome was not in a day)」という諺がありますが、日頃の努力は必要です。
また以前、「マナーは自分がハジをかかないためのものではなく、相手にハジをかかせないために存在する」と申しましたが、まさにそのとおりですね。
最近はマナーに関する書物は氾濫するくらい有り、その殆どにテーブルマナーに触れています。
しかし、形式めいた物が多く、相手の気持ちに合わせて食事をすることを説いている本は少ないと思います。
上座の人にも下座の人にも心配りが出来るということは、食事のみならずビジネスやプライベートシーンにおいても是非生かしたいものです。
次回に続きます。