マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
日毎に昼が長くなった感がありますが、それもそのはず6月21日は二十四節気の一つ「夏至」です。
正午の時間帯においては、太陽が最も高くまで登り、真上から太陽が照りつけるので、影が最も短くなる日のことです。
「和風月名」では九月は夜が次第に長くなるので「長月」、つまり秋の夜長になるわけですが、これに対して夏至は昼が長く夜が最も短くなるので「短夜(みじかよ)」になります。
夏至の反対は「冬至」ですが、冬至と夏至では夜の時間差は数時間もあります。
ただ北海道と沖縄を除き、只今梅雨の最中で、雨の日や曇りの日が続くのであまり実感することが無いかもしれませんね。
しかし天気がいい時には、太陽が沈んでも、そのパワーをしばらく感じることが出来る頃で、いよいよ本格的な夏の到来ということになります。
ところでこのコラムでは何度も触れましたが、日本には四季の他に、一年を24等分した「二十四節気」と、72等分した「七十二候」という季節があります。
ちなみに「気候」とは二十四節気の「気」と、七十二候の「候」からなっています。
また、特に重要な中気である「夏至」と「冬至」、さらに「春分」と「秋分」は全て二十四節気に基づいていますが、夏至と冬至を「二至」、春分と秋分を「二分」と言い、両者を合わせて「二支二分」と言います。
「夏至」は昼が最も長い時に「至った日」を意味します。
太陽が最も北に至る日のことです。
冬至は昼が最も短い日に「至った日」で、太陽が最も南に至る日です。
加えて春分と秋分は、昼の長さと夜の長さが同じになる日ですから、昼と夜の長さがちょうど半分に「分かれる日」と言う意味です。
夏至と冬至、春分と秋分がなぜ「至」と「分」がつくのか、理由が分かればなんとなく単純な気がしますが、いかがでしょうか。
そういえばサイコロを二つ振って出た目のトータルが偶数だったら「丁」、奇数だったら「半」と言いますが、これは2468の偶数はちょうど半分に分かれるから「丁」で、奇数だったら半端になるから「半」と表現されます。
小数点の概念が無かった時代のお話です。
このように二十四節気成立に至っては、先ず2支2分が考案され、その後立春、立夏、立秋、立冬の4立が加味されたのではないかと考えられているようです。
ちなみに立秋の「立」は始まると言う意味があります。
そして「2支2分」に「4立」を加えたものが「8節」です。
最近、夏至の日には「キャンドルナイト」が普及しているようですが、電気を消し、天然の明かりに照らされながら、ゆったりとした優雅なひと時を過ごすのもお勧めです。
いよいよ本格的な夏に向かいます。
元気でご活躍下さい。