マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
1月21日は二十四節季の一つ「大寒」です。
漢字が示すように、まさに一年で最も寒い時期です。
冬将軍がいすわり、背中が丸くなりそうで、何かとネガティブになりそうですが、いいこともあります。
この頃の水は雑菌が少なくなるので、味噌、酒、醤油などを仕込めば、腐りにくくなると言われています。
そして大寒の終わりは「節分」で、その次の日は「立春」です。
寒い中にも春を迎える喜びが芽吹く頃です。
以前のコラムで、立春、立夏、立秋、立冬の前約18日間を「土用」と呼び、1月18日が冬の土用(寒の土用)とお話ししましたが、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の次の日を「節分」と言います。
つまり、節分も土曜も実は一年に4回ずつ存在すると言うことです。
今では土用と言えば「夏の土用」、節分と言えば「立春の前」の日を指すようになりましたが、季節の節目を意味する言葉です。
そして季節の節目は今もそうですが、何かと身体に変調をきたしやすいので、栄養の在るモノを食べて体力をつけるとか、邪気を払うモノに頼るようになったのでしょう。
ところで夏の土用は鰻を食べるのが有名ですが、大寒の頃は、先人は卵を好んで食していたとか・・・。
「大寒の卵」と言う言葉があります。
これを食べると健康運やお金に恵まれると言われており、今では贈答用として力を入れているところもありますね。
もともとは食べ物に不自由していた頃、これを食べると、この一年健康で過ごせるよと言われたのが「寒の卵」です。
今の養鶏は非常に進歩していますが、昔は自然任せです。
従って寒い時期は鶏が卵を産む数がぐんと減ります。
しかしその分、栄養が詰まっていると考えたのでしょう。
生気に満ちた卵は縁起物として重宝されたようです。
寒さにめけず頑張って産んでくれた卵ですから、きっと健康にも金運にも恵まれるのでしょうね。
一年を24に分けたのが二十四節季ですが、それをさらに3つに分類した「七十二候」がありますが、その最後、つまり二十四節季の大寒の最後は「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」とあります。
乳と言う字は「産む」と言う意味もあり、春の訪れを察した鶏が、卵を産み始める頃です。
本来鶏は冬には卵をうまず、日差しが長くなってから産むようになるので、長い冬が終わり、春の到来が楽しみになる頃です。
大寒に産んだ卵を食べて、元気で前向きに歩んで下さい。