まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
全国の中学生や高校生にとって、たいせつな受験のシーズンになりました。
大きな重圧になっている学生も多いと思います。
最近は何もかも過保護になり過ぎでは?と感じる点も多々ありますが、私たちの頃でも受験時には、家族や周囲の人がかなり神経を使ってくれた記憶があります。
生徒は自分の希望する学校に行くために、激しい受験戦争を経験することは古今東西変わりませんね。
受験モードになっている生徒たちの気持ちをくみ、最後まで温かく見守ってあげたいものです。
そのためには、受験生と正しく向き合い、先輩として、受験生を思いやる心構えが大切だと思います。
しかし、受験生は緊張感や不安感が高まり、周囲の些細なことが気になるので、特に家族は、まるで晴れモノにでも触るようにして、本人より多くのストレスがかかるかもしれません。
では、どうするのか?
あまり受験生に圧力がかかるような言葉は慎んだ方が良いかもしれませんね。
特に気弱な受験生にとっては逆効果になるかも。
加えて、不必要に気を配るのもおかしな気分になります。
病気で体力が失せてしまっているわけではないので、努めて明るく振舞う方が自然でしょう。
どこの学校を受けるの?等と細かく尋ねないようにすることも大切です。
本人が言わないならそのままにしてあげて下さい。
「寒くなったから身体を大切に」等の、身体をいたわる言葉は喜ばれると思います。
これから合格発表が気になりますが、受験に合格すれば共に喜び合えばいいですが、不本意な結果に終わることもあります。
難関校であればある程多いですね。
たとえ不合格になっても、その学校に行くと自らの意思で本人が決めて、挑戦したのであれば、不合格になってもそれは本人のせいです。
周囲がおろおろすることはかえっておかしいと思います。
つまり、何もしない方が良いと考えます。
また、何もかも順風満帆で進むより、幾度の挫折を経験した方が、後になっていいことは沢山あります。
さらに「塞翁が馬」と言う諺もあります。
親子で悲観して途方に暮れるより、これを前向きに捉え、気持ちを切り替えることも大切です。
日本は学歴社会で、殆どの学生は受験を経験するでしょう。
単に実力社会へのパスポートとして受験を捉えることなく、自立や自己実現など、世界一長寿の平均寿命を心豊かに生きて行くための「人間力」を形成する意味において、受験は大変いいチャンスだと思います。
ちなみに、遠い昔の話になりますが、私が受験する時は、旅館に泊まりました。全国各地から来た、全然知らない者同士の8人位の和室の相部屋でした。
浪人の人も結構おり、共に夕食をした時には、煙草を吸う人、酒を注文する人もいました。そして食後は、団らんする者もいれば、近所のパチンコ屋に行く人等もいました。
2泊3日の受験でしたが、帰る時には皆打ち解け、その中の数人と入学式で顔を合わすことが出来た時は本当にうれしかった記憶があります。
若者の再就職や結婚支援に関わっていますが、過保護になり過ぎ、ストレスに耐性が無い若者が多すぎる気がしてなりません。若い時に試練を経験させてあげるのも大人の大切な役割ではないでしょうか。