マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
日本では古来より、正月になると歳神様をお迎えしてお年玉を頂きました。
つまり、歳神様から魂を頂き、一年を過ごしたわけです。
「魂=命=年齢」と捉えて頂いたらいいでしょう。
命を頂くわけですから、ひとえに感謝、感謝です。
この魂が「お歳魂」であり、これにより年齢が加算されるようになるのが「数え年」の考え方です。
新しい命はお母さんの体内で10月10日過ごすわけですが、その期間を考慮しなければいけないので、数え年による年齢の数え方は、産まれた時点で1歳になります。
さらに正月になると、歳神様から年をいただくようになります。
満年齢は誕生日に加算されますが、数え年は正月に加算されるということですね。そしてこれは老若男女みな平等です。
極端な例かもしれませんが、平成27年12月31日に子どもが産まれました。
そして平成28年の元日には、この子どもは満年齢ではまだ0歳ですが、数え年では2歳になります。
12月31日に産まれた時点で1歳です。
そしてひと晩経過したら正月になるので、この時点でさらに年神様から1歳年を頂くので2歳になるということです。
「数え年」の数え方は、日本ではかなり使用されております。
昭和24年5月24日に「年齢のとなえ方に関する法律」ができ、25年の元日から従来の数え年の習わしを改めて、満年齢に統一された。
当時は日本国民全員が若返ったということです。
特に適齢期の女性は喜んだかもしれませんね。
今でも役所へ届け出の用紙等は満年齢を記載しますが、「七五三」「長寿」の祝いなどは、数え年の場合が多々あります。
特に長寿の祝いなどは、早い方が良いので「数え年」でされるのがお勧めです。
では、「厄年」はどうか?
この場合は、魔除けを祈願する所で確認される事をお勧めします。
明治になって、旧暦から新暦に変わり100年以上経過しましたが、依然として日常生活の中にも旧暦は存在します。
年齢の数え方もしかりです。
何百年も続いたことが、そう簡単に何もかも変わらないということです。
但し、「数え年」で行事を行う場合は、その旨をキチンと明示して下さいね。
これは大切なマナーでもあり、ルールでもあります。