マナーうんちく話1105《食事は楽しく! ティファニーのテーブルマナー②》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

ホテル業界に入り、最初に配属された部署が饗応部で、フランス料理のレストランで接客の仕事に就くことになりました。

ビップと呼ばれるお客様も多く、お陰で接客の仕事がすっかり板についた気がします。加えて、フランス料理との長い付き合いが始まり、結局30年以上フランス料理のテーブルマナーに携わることになりました。

マナーに関する多くの書物を読みましたが、中でも「ティファニーのテーブルマナー教本」はとてもわかりやすく、かつ実行しやすい内容で、大いに親しみが持てます。一部を紹介しておきますので参考にして下さい。

●魚用のフォーク・ナイフと肉用のフォーク・ナイフの違いを理解すること。

●ナプキンは膝の上に置き、首に縛り付けたり、バンドに挟まないこと。

●スープスプンは右手に親指を上にして持ち、スープを吸う時にはスプンを向う側に少し傾け、手前から向こうに動かしてスープを満たします。

●カップで出たスープは小さいスプンを使用してもいいし、カップを手に持って飲んでもOKです。

●魚が柔らかくて骨が無ければ、魚用のフォークだけで食べても構いません。

●肉料理を食べる時は、フォークで肉を刺しナイフで切りますが、一度にひと切れだけ切って食べます。

●左手にフォークを持ったままで水を飲んではいけません。

●パンは指先でちぎり、バターナイフはバターを塗る時だけ使用します。

●アスパラガスは茎があまり長くなければ手で食べます。

●フィンガーボールを使用する時には指先だけ水に付けます。

●食卓の上に肘を付けないこと。

●食べ物を余り沢山口に入れないこと。

●食べ物を口に少し入れたまま、うまく話が出来ように練習すること。

●姿勢を正しく腰をかけます。

●目上の人より先に食堂から出ないでください。

テーブルマナーを教えるこの本は、ティファニー社が編纂したもので、とても魅力的です。勿論これ意外に色々な作法が存在しますが、基本的なことは是非理解して下さい。

私が初めてこの本を読んで感じたことは、今までのマナー教本と異なり、大変シンプルで、しかもユーモアセンスあふれる絵でした。

マナーの解説は、とても簡単ですが、時には大胆な表現もあります。
そして何より勉強させられたのが、かたくなにマナーを守るというのではなく、「食事は楽しむもの」であるということです。

つまり、フォーク・ナイフやグラスや料理の知識や作法があっても、社交性が伴わなければいけないということです。

だから良好な人間関係づくり等、様々なマナーが要求されます。言い方を変えれば、「食事を楽しむ」ために、マナーの存在意義があるということです。

「鶏が先か卵が先か」になりますが、食事を楽しむ大前提は、これまで何度もお話ししましたが「美しい食べ方」であり、それは「他者への配慮」です。

1日3回、1年間で1000回以上食事をするわけですから、それが楽しいと自然に人生そのものが楽しくなります。
より良い生き方とは、つまりそういうことではないでしょうか?

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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