マナーうんちく話90≪懐紙の優雅な使い方≫
晴天に恵まれ「岡山県自然保護センター」を散策する機会に恵まれました。
紅葉も素晴らしかったですが、山茶花も見ごろを迎えており、赤い花が咲いている場所だけが明るい印象を受け、心が洗われました。
《山茶花、山茶花咲いた道、焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き・・・霜やけお手手がもうかゆい》という歌がありますが、童謡に歌い継がれたように、日本の初冬の風景ですね。
そして、この時期になると急に寒さが厳しくなってきます。
それもそのはず11月8日は「立冬」です。
暦の上では冬ですが、鍋料理が恋しくなる頃でもあります。
ところで、11月7日は何の日かご存知でしょうか?
「鍋の日」です。
11月7日の語呂合わせで「イイナベ」となるわけですね。
ということで、これからは鍋を囲む機会が多々あるかと思いますので、美味しく、楽しく鍋料理を囲むマナーに触れておきます。
「食事を共にする」と言う意味には、「貴方とさらに交流を深めたい、仲良くなりたい」と言う意味と「貴方の事をもっと理解したい」と言う意味がありますが、家族や友人、大切な人と囲む鍋料理はまさにうってつけですね。
神前結婚式では、先ず神前にお神酒をお供えしますが、「三三九度の儀式」や「親族盃」の儀式があります。
これは神にささげたお神酒を共に飲むことで、互いの絆を深めるという意味があります。両家の家族が、同じ器に入った酒を共に飲むことで親族になるわけです。
鍋料理の良さはこれと同じで、同じ鍋にある料理を互いが食べ合うことでさらに交流を深めるわけです。
但し「親しき仲にも礼儀あり」です。
以下の点に注意して下さい。
○どんな鍋料理でも、最初に具材の下ごしらえをキチンとしておくと、食事の流れが非常にスムーズになります。
○一つの鍋を囲む人数は4人がお勧めです。
○鍋に入れる具材の順番に注意して下さい。
ダシが出る物や、火が通りにくい具材が先です。
○テーブルスタイルに留意して、鍋に一番近い人は、進んで材料を入れたり、味の調整をして下さい。
○少し上級のマナーになりますが、お年寄りや、遠慮がちな人には、お好みの具材をとりわけてあげることもいいですね。この際、煮え頃のものを選んで下さいね。そして、煮え過ぎたような物は、さりげなく自分が食べられるような人はマナー美人です。とり分ける際に「とりわけましょうか」「嫌いなモノは有りませんか」等と声をかけられる人もしかりです。
○他人同士が鍋をつつく場合、気を使って「逆さ橋」にする人がいますが、これは感心しません。マスクもそうだと思いますが、最近の日本人は神経質になり過ぎている気がします。鍋をつつく前に、「各自自分の箸で自由に食べましょう」と言えばいいでしょう。もしそれでも気になる人がいたら「とり箸」を用意して下さい。
○ワイワイガヤガヤ・・・。兎に角「会話」を楽しんで下さいね。
立食パーティーでもそうですが、食べる事ばかりに重きをおくと会話がおろそかになります。
鍋料理には笑顔と楽しい会話がお似合いです。
くれぐれも、愚痴や人の悪口は言わないように・・・。
また、家庭で鍋料理をされる場合には、子どもにも役割を与えてあげることがお勧めです。さらに、祖父母に料理をとりわけてあげるようなことも、将来思いやりのある子に育てるポイントです。