マナーうんちく話535≪五風十雨≫
秋祭りに関心がありますか?
お正月にお節料理を食べますか?
また、初詣に行かれますか?
では「神道」とは何でしょうか?
数ある年中行事の中で最もなじみの深い秋まつり。
そして厳粛に迎え、盛大にお祝いするお正月。
毎年数千万人もの人が足を運ぶ初詣・・・。
コンビニより身近な存在でありながら、意外に正しく理解されていないのが日本の神様(神道)ではないでしょうか?
不思議と言えば、不思議な事ですね。
神道とは、古来日本人の哲学や思想等を育み培ってきた、日本固有の民族宗教です。
また、自然発生的な宗教で、キリスト教や仏教のように特定の創始者がいないのも大きな特徴です。
加えて、山、川、海、樹木、岩、さらにキツネやオオカミなどの動物が崇拝の対象になっています。
さらに、人間で英雄や偉人になった人が祀られているのもユニークですね。
だから、「八百万の神(やおろずのかみ)」と呼ばれ、全国津々浦々に、様々な神様がいらっしゃいます。
ちなみに八百万とは、数が多いことのたとえで、多くの神々の存在を総称する言葉ですから、実際の数を表すものではありません。
古代の人は、まさに森羅万象の中に神様の存在を認めていたのでしょうね。
それから、血縁関係で絆を深めた人が亡くなった後は「仏」になり、その後「神」になると信じられ、正月、花見、田植え、秋祭りの時期になると、定期的に人間の世界にやってくると信じられていました。
だから、祖先が全て崇拝されています。
神様が人間の世界にやってこられるに当たり、人間は身も心も清めて、神様の好物である酒や魚や野菜や塩等をお供えして、健康長寿、邪気払い、豊作、子孫繁栄をお願いするわけですね。
その神に奉仕する人が「神職」で、地域や時代により、「神官」「神主」「宮司」等と呼ばれています。
神職は現在約7万人です。
日本には約81000社の神社がありますから、一人の神職が複数の神社を兼務しているのが現状です。
ところで、「困った時の神頼み」と言う言葉があります。
何か願い事が有れば、あるいは困った事が有れば神様にお参りしますが、それは神道の本来的な意味ではありません。
常日頃から、神様と共に生きようとするところに本来の意味があります。
しかし、最近は科学が進歩し、物事を科学的に捉える傾向が強くなりましたが、それでも人の力の及ばないところは神様に縋るケースが多々あります。
科学と神様が協力し合うのが良いと思うのですが・・・。
9月27日(日)に地域の氏神様の清掃活動に参加しました。
いつものことながら身が引き締まる感じがしました。
次回は「玉串」についてのお話しです。