まなーうんちく話757《「正しい箸使い」の効能と「手盆」の是非》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

向日葵のように目立つ花ではありませんが、夏の夜に静かに咲き始める「月見草」が咲き始めました。

夏の夕方に白い花を咲かせ、夜中にはピンク色に変身して、朝になるとしぼんでしまう、小柄で可憐な花は日本人の感性にマッチするものがありますね。

先日の腕試しの解説の続きに移ります。

②「箸とお椀。先に持つのはどちら?また正しい扱い方は?」に関しては、「マナーうんちく話89《箸と椀、どちらが先?》」を参考にして下さい。

③なぜ、箸を正しく持たなければならないの?

和食のテーブルマナーは「箸に始まり、箸に終わる」と言われていますが、正しい箸使いには大きな効能があります。ぜひ毎日の食事で実践して下さい。

・箸を正しく持つことで、姿勢が良くなり、料理を綺麗に食べるようになる。

・好き嫌いが無くなり食べ残しが少なくなり、「飽食の国」の汚名が返上できる。

・感謝の心や思いやりの心が身につき、イジメに走らなくなる。

・咀嚼回数が増加して、老化予防や健康効果が期待できる。

・手先が器用になったり、脳の発育を促す効果が期待できる。

・箸に込められた精神文化を理解することにより、環境保全や「おもてなしの心」が育まれる。

以上のような効果が期待されますので、三度、三度の食事の際には是非心掛けて下さい。子どもさんがいるお家では特にお勧めです。
それと「箸置き」も是非加えて下さいね。

④「食事をする際に、汁やタレが垂れるといけないので、箸を持たない手で受けてためますがこの食べ方は如何でしょうか?」の問いですが、結論はお勧めできません。

汁やタレが垂れたら服が汚れるから、つい箸を持たない手で受けて食べる事を「手盆」と言いますが、洋食にせよ和食にせよ、やめて頂きたいマナーです。

特に和食のマナーでとても大切なことですが、食事中に手を汚ごさないことが求められます。従って、「汁やタレが垂れたらいけないので手を受ける」と言う行為は、自ら手を汚しに行くことになりマナーとは逆行します。

ではどうするか?ですが、①姿勢を正して予防する。②器を持って食べる。③懐紙で受けるなどして下さい。

前回、世界3大食法と箸使いに触れましたが、韓国では箸とスプン、中国では箸とレンゲのように、箸が単独ではありません。箸と同等の道具がありますが、日本では全て箸だけで賄います。

従って、汁やタレがこぼれたらいけないので、手で受けたくなる気持ちは理解できますが、和食には「器を手で持って食べる」というユニークなマナーが存在します。

ちなみに、殆どの国では器を持って食べるのは悪いマナーですが、和食は逆です。だから、和食の場合は、大皿は別として、器やお椀を持って食べて下さい。

さらに、懐紙は店が用意するものではなく客側が持参するものです。
日常生活に懐紙を取り入れてみて下さい。

月見草の花言葉は「風呂上がりの美人」だそうです。
夜になると可憐な花を咲かせ、まるで浴後の美しい女性のような風情のある姿を連想しますが、姿勢を正し、箸や器を美しく扱える人はとても素敵です。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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