マナーうんちく話543≪小利をみれば、即ち大事にならず≫
今年も各地で梅祭りが始まりましたね。
梅はもともと中国から留学生が日本に持ち帰り、やがて平安貴族に重宝され、万葉集にも多く詠まれるようになりました。
そして厳寒の中、百花に先駆けて凛と咲くから、お目出度いモノの代表格となっているのはご承知の通りです。
紅梅が咲き、白梅が咲き、さらに三月下旬から四月上旬になると桃が咲き誇るわけですが、山や里や家の庭に、次はどんな花が咲くかなー?と楽しみに思えるのは、四季の美しい日本の春ならではです。
そして、自然界の草や木や花は、いくら世の中が不景気でも、その季節になれば、必ず申し合わせたように花を咲かせてくれるのが嬉しいですね。
ところで、「習慣は第二の天性なり」と言う言葉をご存知でしょうか?
英語ではCustom is a second natureと表現しています。
人にとって、習慣の力はとても大きく、生まれ持った性質と変わらない位に、日常生活に大きく影響すると言う意味です。
似たような言葉に、「習慣は自然の如し」とか「習慣は常となる」等が有ります。
人の、生活の中における行動は、多くは無意識のうちに行われる部分が多々あります。例えば、朝、目が覚めると先ずタバコを一服して、起きて、歯を磨き、顔を洗い、コーヒーを飲みながら新聞を読む・・・。
私の約10年前までの習慣です。
このような行動パターンが、長年自然に続くわけですから、これが身体に与える影響は非常に大きいと思います。
長い間の習慣が良いか?悪いか?では、全てにおいて雲泥の差が出ます。
当然、良い習慣は健康的な生活になるし、悪い習慣は不健康になります。
特に、悪い習慣は「生活習慣病」を発生する原因になります。
日本は、世界一の長寿国で、「平均寿命」は世界一番ですが、死ぬまで元気ではありません。男女間で多少の差は有るものの、男女とも死ぬ前の約10年間は、治療や介護が必要な状態です。いわゆる「健康寿命」は、男女とも平均寿命より約10年短いというわけです。
そして、日本人の死亡原因の大半は、「生活習慣病」に起因しています。
しかし、幸いなことに、生活習慣病は生活様式を改めることで予防できます。
性格を変えることは難しいようですが、習慣を変えることはできます。
悪い習慣を改め、良い習慣を身に付けることは可能だということです。
ハッピーになりたいなら、ハッピーになる習慣を心がけることです。
喫煙習慣を止め、砂糖や塩分を控えめにし、腹八分を心掛けるとか、姿勢を正すことや早起きの習慣を身に付けるとか・・・。
あるいは、人に会ったら率先して元気よく笑顔の挨拶をするとか、履き物をきれいに揃えるとか、毎日新聞に目を通すとか、何か自分にできる良い習慣を身に付けられる事をお勧めします。
中でも「賢い食事」を習慣にされたらいいですね。
具体的には、なるべく手作りの料理を食べ、姿勢を正して食し、箸置きを使用し、箸と器を正しく扱い、大事にするとともに、楽しく食事をすることです。
先ず器を右手で取り、左手に持ち替え、右手で箸を取り、食べる。
次に、箸を箸置きに置き、器を右手に持ち、器を置く。
この繰り返しの習慣をつけてみて下さい。
これで、姿勢が良くなり、感謝の心が湧き、料理の好き嫌いが無くなり、料理がおいしく綺麗に食べられ、残さなくなります。さらに、咀嚼回数が増え、高血圧やダイエットにも効果が期待でき、肉体的にも精神的にも、何から何までいいことだらけになり、人生が大きく好転します。
生きることは「食べること」です。
美しく、楽しく食べるということと、その道具である箸や器を大切に扱うことで、万事上手くいきます。
「鉄は熱いうちに打て」と言います。子どもに、是非実行させて下さい。
また、幾つ歳を重ねていても、遅すぎることは有りません。