マナーうんちく話483≪現代の上座と下座②「和室編」≫
訪問した先で洋室に通されたら、持参した手土産は立ったままで渡すようになります。
渡すタイミングや発する言葉は、和室と同じですが、仕草が異なりますので、注意が必要です。
先ずは、持参した手土産やハンドバックは、いったん部屋の隅の小卓等に置かせていただきます。
次に、改めて相手の正面に出向き、姿勢を正し、本日最高の挨拶をキチンと行います。
続いて、紙袋や風呂敷から手土産を取り出し、正面を相手に向き直して、両手で持って差し出します。
上げる高さは胸の高さ位が良いでしょう。
頂く側は、「いただきます」とか「ありがとうぞざいます」とか、お礼を述べて両手で受け取ります。
相手が手土産を受け取ったら、椅子やソファーに座るように勧められますので、「ありがとうございます」とお礼の言葉を発して勧められた場所に座ります。
椅子の場合は一般的には左側から座りますが、無理な場合はどちらからでもいいでしょう。
ここで、主人は頂いた手土産を持って部屋からいったん出て、茶菓の用意をします。コーヒーや紅茶と共に菓子やケーキが出されたら、「ありがとうございます」「いただきます」の挨拶をして頂いて下さい。
もし、好きな飲み物を聞かれたら、「おかまいなく」とか「なんでもけっこうです」ではなく、「それでは紅茶をお願いいたします」のように、はっきりリクエストに答えて下さい。
そして、「熱いモノは熱いうちに」、「冷たいモノは冷たいうちに」頂くのがマナーですから、遠慮する必要は有りません。出されたら「頂きます」の言葉を共に、直ぐに頂いて下さい。
「お絞り」が出されたら、基本的には手だけを拭き、形良く纏めて、おしぼり受けに置いて下さい。
茶菓を出す方は、お絞りは両側か上に置き、菓子が左、茶が右にくるように置いて下さい。
飲み物は右に、菓子やケーキは左に置くのは、洋も和も同じです。
この原則は是非覚えておいて下さいね。
ちなみに、和食の配膳の時にも、ご飯が左で汁物は右になります。
また、洋室で椅子やソファーに掛けている時に、他の客人や家の人を紹介されたら、男性は立って挨拶して下さい。
特に相手が女性で有れば、例え年齢や地位が自分より低い人でも、キチンと立って挨拶をしてください。「今日は、始めまして、岡山ハッピーコミュニケーションの平松幹夫です、宜しくお願い致します。」と、相手の目を見て言葉を発し、丁寧に頭を下げます。
但し、紹介された相手が、同姓の年下で有れば、座ったままでもいいでしょう。
女性の場合は、相手が男性でも座ったままでいいと思いますが、ビジネスシーンで有れば、立って挨拶した方が良いかもしれませんね。
相手が目上の人の場合はなおさらです。
但し、和室の場合は、男性でも、女性でも、相手がだれであろうと、座布団から降りて挨拶します。
この時には、たとえ相手が立ったままでも、座布団から降りて、座礼をします。
「和室」は昔の事をとても大切にする空間です。
女性には耳が痛い言葉ですが、男尊女卑の風習が有った時代に確立された礼儀作法が生きている世界です。しかし「洋室」はレディーファーストの原則が働く空間です。
「和」か「洋」かにより臨機応変に対応して下さいね。