マナーうんちく話461≪手土産の頂き方≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:贈答のマナー

手土産は、渡す方も、頂く方もそれなりのマナーが存在し、互いに素敵なマナーを発揮してこそ、手土産が生きてくるものです。

前回の、「手土産の渡し方」に引き続き、今回はその「受け方」のお話しです。

品物の受け渡しの時に、渡す側が品物を両手で差し出したら、頂く方も両手で丁寧に受け取ります。

この時、「ありがとうございます」のお礼の言葉が当然必要です。
ここで、「おかまいなく」とか「わざわざそんなことしなくてもいいのに」とか言われたら、折角風呂敷や紙袋に包んで丁寧に手土産を持参した気持ちが失せます。

立場上、受け取れない場合は別として、先ずは、「ありがとう」の、嬉しそうで、笑顔いっぱいの言葉が何よりです。

ちなみに、品物を頂いたら「すみません」とか「すいません」の言い方をされる人も多いようですが、「すみません」とか「すいません」は、どちらか言うとお詫びの言葉です。

品物を頂いたわけですから、ここでは「ありがとう」の感謝の言葉を発して下さい。
そして「ありがとう」の言葉を発する時のポイントは、「相手の目を見て」です。

次に、品物を受け取ったら、いったん「上座」に品物を置きます。
品物を渡す方は、いったん「下座」において挨拶を済まして渡しますが、受け取る方は、頂いた品物を「上座」に置きます。
ここは、とても大切なポイントです。

なお、改まった場合でしたら、品物を上座に置いたら、再度ここで姿勢を正し、丁寧に感謝の気持ちを、相手の目を見て笑顔で発して、頭を下げます。

お礼の挨拶が済んだら、相手に着席を促してから、「ちょっと失礼いたします」とお断りして、頂いた品物を別室に持っていけばいいでしょう。

この時、頂いた品物は片手ではなく、両手で丁寧に持って下さい。
和室でこの動作をするには、両手で品物を持った状態で立ち上がりますので、座った姿勢から、スムーズに立ち上がる要領を心得ておく必要が有ります。

「和の礼儀・作法講座」では、これらの実践を行いますが、今の方は年齢に関係なく、苦手な人が多いようです。

しかし、この所作こそ、日本が世界に誇る、思いやりの心が凝縮された、とても美しい礼儀・作法ですので、機会が有れば是非試してみて下さい。
身も心も美しくなること請け合いです。

さらに、お祝いの「金包み」等の受け渡しには、より奥深いマナーが存在しますので、機会が有ればまた取り上げて参りたいと思います。

ところで、日本の手土産は、お菓子等の食べ物が圧倒的に多いのが現状ですが、頂いたお菓子を、直ぐに客人に出すか否か?迷われた経験をお持ちの方も多いと思います。
これに関しては、また後日詳しく解説いたします。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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