マナーうんちく話451≪お神酒の頂き方のマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

神様にお供えした酒を、神事の終了とともに下げて、神事に出席した者同士で頂くということは、神様の霊力を頂くことになるので、飲み方にも厳格なマナーが有ります。

私もホテルで長い間結婚式の仕事に携わっていた関係上、神前結婚式のお世話を数多くさせていただきましたが、何回経験しても、いつも身が引き締まる気持ちです。

それだけ、日本人にとっては厳粛な式典で有ると言うことですね。
特に、前回触れた「三三九度の盃」と「親族の固めの杯」は緊張の連続です。
それでは「三三九度」のマナーから解説いたします。

最初は、小さい盃を、新郎⇒新婦⇒新郎の順で頂きます。
次に、中位の盃を、新婦⇒新郎⇒新婦の順で頂きます。
最後は、大きい盃を、新郎⇒新婦⇒新郎の順に頂きます。

飲み方は、それぞれ3回に分けて飲みますが、1回目と2回目は口をつけるだけで、実際に飲むのは3回目です。

酒が飲めない人や、飲酒運転の恐れが有る時には、仕草だけでも構いません。

なぜ3回かと言えば、今まで何度もお話ししましたが、日本では奇数が格上の数字で、その最高の格を備えているのが9だからです。
以前取り上げた「手締め」も同じ理屈です。

三三九度の儀式は、新郎・新婦が「魂の共有化」を図るために行うわけですが、あえて9回に分けてお神酒を飲むのは、さらなる絆を深めるためです。

加えて「親族固めの盃」とは、両家が親族になった誓いを、お供えしたお神酒が注がれた盃を交わすことで表明する儀式です
これにより「親族関係」が成立するわけですね。
つまり、両家の新しい絆が結ばれるわけです。

頂き方ですが、先ず、巫女がお神酒を注ぎに来られたら、手を一度だけたたきます。

続いて、両手で盃を持ちますが、親指を上に、他の4本は下から受けて持ちます。手を叩くのは、お神酒を「いただきます」と言う意味が有ります

そして、巫女からお神酒を注いで頂きます。
重複しますが、この時には、必ず両手で受けて下さいね

全員に注ぎ終わったら、祭主または巫女の合図で起立して頂きます。
頂き方は3回に分けて頂きます。

頂いた後は、口をつけた盃の部分を、指で拭います。
この時は、人差し指と中指と親指を使用して下さい。
最後に盃を置きます。

以上ですが、日本人である以上、お神酒を頂かれるケースは多々あると思います。是非参考にして頂ければ嬉しい限りです。

ところで、正月に、お神酒をお供えする徳利に挿してある「飾り」を見かけたことは有りませんか?

前にもお話ししましたが、神様はたいそうお酒が好きですので、神様に「お酒をここにご用意いたしております」と言う事を、お知らせする飾りのことで、「ミキノクチ」といいます。

日本酒は本当に奥が深いですね。
一人しみじみ飲むのも良いでしょうが、仲間同士や夫婦や家族で酒を酌み交わすのは、ひとえに享楽より絆を深めるためと認識して頂ければと思います。

そのためには、とにかく楽しい酒をお勧めします。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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