マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
家に客人が来ました。
客室に通して、茶菓でおもてなしをしながら一時間ばかり話しをしたところで、客人がおいとまを切り出しました。
あなたは、まだ、ある程度時間的なゆとりがあるとします。
この時あなたは、客人を、いったん引きとめますか?言われるままにおいとまして頂きますか?どちらのタイプでしょうか。
どうしたものかと、迷われるところではないでしょうか?
どちらが正解で、どちらが不正解と言うことはありません。
この場合は、あくまで自分の気持ちに素直に対応されたらいいと思います。
すなわち自分が、この人とならもう30分位、話をしてみたいと思われたら、引き留められたらいいと思います。
しかし、正直、やれやれと思われたら素直に見送りをされたらいいと思います。
では、久しぶりに友人に会い、別れ際に、「またお茶でも飲みにいかない?」「いつか食事でも行かない?」、あるいは「近じか、一杯いこうや?」等と言いませんか?
また、このように言われた経験は有りませんか?
これがいわゆる「社交辞令」ですが、この場合も、本当に、またゆっくりと、共にお茶を飲みたいとか、食事でもしながら積もる話がしたいと思われたら、そのように誘われたらいいと思います。
この時の誘い方は、「今日は本当に会えてうれしかった。立ち話だったので、今度ゆっくり時間を取ってランチでもしない?」。「私は○○月の○○日なら都合がつくけど如何?」と、具体的に日時まで示して、食事やお茶に誘うことができる人はマナー美人です。
相手にその気があって、○○日に相手も都合が良かったら誘いに乗れるし、相手にその気があっても、都合が悪かったら、日時の変更を求めてきます。
また、「いつか食事でも?」と誘われて、相手がそれを本心で言っているのか?単なる社交辞令か?を見極めるには、誘われた時点で、「誘って頂いてありがとう。嬉しいです。ところで私は○○月の○○日なら都合が良いですが、いかがですか?」と言って、具体的な日時を申し出てみられるのも一つの手です。
ちなみに社交辞令とは、プライベートやビジネスの場面において、物ごとを円滑に進めるために言葉にする、儀礼的な褒め言葉や挨拶で、潤滑油のようなものです。
比較的多く用いられる言葉は、ビジネスシーンでは「また飲みに行きましょう」、プライベートでは「お近くにこられたら是非おより下さい」等です。
一見スムーズにいくようですが、見解の相違でトラブルになることも有ります。こちらは社交辞令のつもりで軽い気持ちで発したのに、相手にまともに取られて多大な迷惑をかけることも有ります。
だから、社交辞令は言わないのがマナーです。
言ったら、実行が伴わなくてはいけません。
その気がないなら、言わないことです。
特に相手が外国人の場合はご注意ください。