マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
8月7日は二十四節季の一つ「立秋」です。
立春は事実上の寒さのピークになりますが、立秋の今日は、まさに暑さの頂点ですね。
そして、暦の上では「秋」になり、明日から徐々に酷暑・激暑・猛暑が和らいでいくわけですが、まだまだ実感はわいてきません。立春も同じですが・・・。
ところで「秋」の語源は、
○空の色が明るく澄んで、「清明(あきらか)」と言う説。
○稲等の穀物を多く取り入れ、「飽(あ)き満ちる」と言う説、
○草木が紅葉し、「紅(あか)くなる」という説がありますが、定かではないようです。
いずれにせよ、まだ夏休みの真最中でもあり、一年で最も暑い日が続いている時ですから、「秋」と言う言葉はピーンときませんが、二十四節季では「秋分」から「冬至」までが秋になります。
従って、いくら暑くても、暦の上では今日から秋になります。
そして、「秋になっても残っている暑さ」の事を「残暑」と言います。
だから、これからは「暑中見舞い」でなく、「残暑見舞い」になります。
期間は、二十四節季の「白露」(今年は9月7日)の前日までです。
日付は、暑中見舞いは「盛夏」としますが、残暑見舞いは「晩夏」、あるいは「立秋」等がお勧めです。
また、「暑中見舞い」と「残暑見舞い」は、「年賀状」と「寒中見舞い」のような厳格な違いはありませんが、暑中見舞いは「暑くなりましたね!」と言う見舞いで、残暑見舞いは「まだ暑いですね!」という見舞い状の認識でいいと思います。
また、「お中元」などを出しそびれた場合は、「残暑見舞い」の便りを添えて、ギフトを贈られても良いと思います。
喪中の方に出されてもOKです。
もともと日本では、親族・近隣の友人・知人が病気になったり、死亡したり、出産したり、あるいは火事や災害に有った時には、慰問していたわけですが、それが無理な時には、見舞い状を出すのが礼儀だったわけです。
「年賀状」・「寒中見舞い」及び、「暑中見舞い」・「残暑見舞い」等も、このようにして生まれた社交儀礼で、人間関係やビジネス上の取引の持続は、こうした義理を果たすことにより保たれてきました。
「暑中見舞いを頂いたが返事を出してない」、「お中元を頂いたがお礼が未だ」、「お中元を出しそびれた」等の場合や、「ちょっと気になる人」等へ、気軽に発信し、友好を深められるのもお勧めです。