マナーうんちく話260≪梅雨と紫陽花≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

すっかり梅雨らしくなってきました。
世界中に雨季は多く存在しますが、日本の梅雨は、あまり強い雨ではありませんが、期間が長いために、食中毒やカビが発生しやすいのが特徴です。
ご注意ください。

梅雨に入れば、蛙が喜び、ひときわ元気よく大合唱しています。
蛙の鳴き声は、コオロギや鈴虫のように、お世辞にも美しい音色とは言えませんが、彼らにとっては、この上ない恋の表現です。

そして、梅雨時の花と言えば、なんといっても紫陽花ですね。
この花も、春の桜のように、決して華やかなイメージは有りませんが、雨に打たれながら、モノ静かに咲いている風情は、なぜか、私たち日本人の感性に沁みるものが有ります。

しかし、紫陽花は日本固有の花でありながら、日本人に広く親しまれるようになったのは戦後で、各地で紫陽花の名所が多く作られてきました。

「七変化花」とも表現されるように、花の色は白、青・紫・ピンク・赤と様々で、花言葉も「心変わり」「移り気」が一般的です。

ただ、多様に色を変えるから「移り気」と短絡的の捉えるのではなく、見方によっては、さらに美しくなるために、あれやこれやと「試行錯誤を繰り返している!」と捉える向きも有ります。美しさへのスキルアップでしょうか?


ところで、地球上には実に多彩な文化が存在します。
特に日本では、四季が明確に分かれ、南北に細長く、一年を通じ様々な花に恵まれるからでしょうか、「盆栽」とか「華道(生け花)」という、花に関する伝統文化が根付いています。

そして、それらを巧みに、日常生活や季節の節目に取り入れています。
例えば、門松に松・竹・梅を活けたり、おせち料理に松や南天を添えたり、梅や桜で花見をしたり、お雛様に桃の花を生けたり、端午の節句に菖蒲を活けたり、お月見に芒や萩の花を飾ったり等など・・・。

しかし、残念ながら、次第にその文化が失せて行くようです。
最近では、外国から入って来た「プリザーブドフラワー」や「アートフラワー」等は盛んですが、「生け花」はそれほどでもないような気がします。

料亭や格式のある旅館に行けば、季節の生け花を楽しむことができますが、一般家庭ではあまり見かけなくなりましたね。

花の名前も、ほとんど忘れ去られています。
先日お話しした「衣替え」という言葉も、すっかり、耳にしたり口にしたりすることが無くなりました。その代わりに「クールビズ」という言葉が幅を利かせています。
日本人全てが、それらを容認しているように思え、少し残念です。

6月8日の《マナーうんちく話257》の答えです。

問題1⇒世界で一番多い「食法」は、「手食」で約4割を占めています。
この食べ方は、何も箸やスプンが無いから手で食すのではなく、宗教的な理由からです。「神聖な食物は直接手で触れるべきである!」という考えです。右手が清浄とされているので、右手で食すのがマナーです。

問題2⇒最初に持つのは「お椀」です。詳しくは《マナーうんちく話89」をご覧ください。

問題3⇒箸を逆に持ち、「取り箸」として使用するのは、最も避けて頂きたいマナーです。但しこれは日本だけで、韓国や中国では異なった意味になります。
この場合は、「取り箸」を頂いて下さい。また、店側も付けて下さいね。

「花の文化」も、「箸の文化」も共に、世界に誇る文化です。
国際化が進展すればするほど、世界に向けて発信したい日本独特の文化です。

なぜなら、世界平和と地球の環境保全にとって、とても重要な教えを秘めているからです。おひざ元の日本人が、こんな美しい文化に疎遠になってはいけないと思います。雨に打たれて、けなげに咲いているアジサイを見られたら、思い切り日本人を感じて下さい。日本人としての誇りを持って下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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