マナーうんちく話494≪和顔愛語≫
ご記憶の方も多いと思いますが、8月5日の山陽新聞に掲載された「岡山、暴力行為で全国最悪」という記事がとても気になります。
かって全国有数の教育県であった岡山県において、小中高生の暴力行為、小学校の不登校の発生率がともに全国の都道府県で最悪とのこと。
「晴れの国」岡山の未来に暗雲が立ち込めているようですね。
県教育委員会も色々と対策を講じているようですが、マナー講師として、マナーの徹底をお勧めしたいところです。
マナーとは「思いやりの心」であり、思いやりの心とは、「人を不快にさせないこと」と「人に好感を与えること」で、いわば人間関係を良好にするための潤滑油のようなものです。
従ってあらゆるマナーは人間関係と密接な関係にあります。
ゆえに、人間関係を良好にするためには、「人を不快にさせないこと」と「人に好感を与えること」を徹底することです。非常に明瞭簡潔です。
人を不快にさせないことは具体的に、「人をいじめない」「人に嘘をつかない」「人の悪口を言わない」等です。
次に、人に好感を与えることは具体的に、「人と会ったら挨拶する」「人を褒める」「人の話を聞く」等です。
「人に不快感を与えること」はさせない、そして「人に好感を与えること」事を前向きに奨励する。
以上のことを家庭、地域、学校で徹底することが、暴力行為やいじめや不登校を改善する最良の方法だと考えます。勿論職場でもそのまま応用可能です。
そして、これに「食生活の改良」が加われば鬼に金棒ですね。
次に、これらを、家庭、地域、学校、職場で徹底するにはどうしたら良いか?ということですが、答えはごく簡単です。親や教師や指導的立場にある人が、率先して正しいマナーを身につけ、それを家庭、地域、学校、職場で子どもや下位者に模範を示せばいいのです。
非常に簡単なことですが、残念ながら親や教師や指導的立場にある人が、マナーを正しく理解できていないのが現実のようです。
往往にして日本では親、教師、上位者がマナーに対する認識が大変甘いと思います。
日本では、「子どもは親の背中を見て育つ」と言われております。
ヨーロッパでは、「ひな鳥は親鳥の通りにさえずる」と言われております。
古今東西、親や教師は子供の鏡なのです。
特に「人に好感を与えること」は、親や教師や上位者は、子供や部下の前で徹底的に模範を示すべきです。そうすれば、いじめ・不登校・暴力行為の防止のみならず、子どもが社会に巣立つ時や、社会人になってハッピーなライフプランを描く時にもとても役に立ちます。また職場の雰囲気は常に良好に保たれます。
それに対し、「人を不快にしないこと」は、模範を示すというより、子どもや部下がそのような行為をしたら、親や教師や上司は、それに対し厳重な注意をすることが求められます。
価値観が多種多様化し、流動化するような時代になった今だから、余計にマナーが必要になってくるのだと思います。そしてそのマナーを有効に発揮するためには、先ず子育てに携わる親、教育に携わる教師、職場を預かる上司の人達のマナーに対する意識が大切です。
「人を不快にさせない」「人に好感を与える」。
これを原点に、社会の秩序は守られ、平和が維持されています。
人の話が聞けないようになったら、
夫婦間では離婚に至ります。国と国とでは戦争になります。
上記の記事を県民全てが共有し、マナーに対する認識を深めて頂きたいものです。