マナーうんちく話118≪上座と下座のマナー②≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:訪問ともてなしのマナー

○乗用車
車の持ち主が運転している場合は、助手席が上座になります。これは運転している人を、運転手扱いしないことと、孤独にさせないとの気配りでもあります。

○タクシー
基本的には、運転席の真後ろが上座で、助手席は下座になります。
ちなみに、運転席の真後ろは、車が事故にあった時、一番安全な場所になるからです。また運転手付きの乗用車の場合は、運転手が車を止めて降りてから、すぐにドアを開けられる場所でもあるからです。

○電車
各駅停車のボックス席の場合は、進行方向に向かって窓側が上席、続いてその前となります。新幹線等の3人席は、窓側が上席、続いて通路側、真ん中の席になります。

○飛行機
窓側がある2人掛けは、窓側が上席です。窓のある3人がけの席は、窓側が上席、続いて通路側、真ん中の順です。窓がない場合は通路側が上席になります。

○エレベーター
昇降ボタンのある場所の奥が一番いい場所です。その隣が2番目になります。昇降ボタンを押す人は、下位者になります。
下位者の人は、エレベーターの外側からボタンを押し、ドアに手をかけて上位者を招き入れます。降りる時には、上位者からおります。ドアが閉まらないよう、ドアに手をかけて「どうぞ」と声をかけて下さいね。この時、注意して頂きたいのは、先に降りる上位者は、遠慮しないで「ありがとう」の声をかけてスムーズに降りて下さい。
ドアに手をかけている下位者の人は、上位者に背を向けないよう心がけて下さい。

○エスカレーター
上位者とエスカレーターに乗る時には、上がりの場合は上位者が上で下位者が下、下りの場合は上位者が下で下位者が上になります。理由は、エスカレーターが動いている時に、何か異常があったら、上がりの時は後ろ、下りの時は前の方が、危険度が高いとされているからです。

○レストラン
高級レストランはキャプテン(黒服)が誘導してくれますが、一般のレストランは壁を背にした方が上座です。また景色のいい所も上座になります。
中華レストランで、円卓の場合は、入口から一番遠い席が上座になります。続いてその席に向かって右側、そして左側、其の後は交互に右・左となります。


上座と下座については、読んで字のごとしで、誰でも簡単に理解できますが、問題は右・左の序列です。日本では、平安時代から、右と左では、左の方が上位とされており、今でも生かされている場合が多々あります。ただこの序列は専門家でないと比較的分かりづらいのが現状です。係の人に確認されることをお勧めします。


上司、お客さん、年配者、女性等には特に心地良く過ごせる場所(上座)を臨機応変に、さりげなく提供してあげることが大切です。例えば、相手の体調、トイレの頻度、景色、日差しの強さ、服装等を考慮してあげることが大切です。但し、上座・下座の基本的原則から反れる場合、言葉足らずになっては誤解を生じる恐れがあるので、必ず適切な言葉を添えて下さい。例えば、「上座はこちらですが、今の時間は日差しが強いですので、こちらにおかけ下さい」とか、「こちらが一番景色のいい場所になります」のように。

また勧められた方は「ありがとう」の言葉を添えて、気持ち良くそれに従って下さい。
例えば、和室の場合は、座布団を進められたら「ありがとう」の言葉を添えて座って下さい。もし勧められなかったら、座布団の後か横の位置に座って下さい。
洋室の場合は、椅子に座るように言われたら「ありがとう」の言葉と共に、指定された席に座わって下さい。座るように言われなかったら椅子の横に立って待ちます。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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