マナーうんちく話117≪上座と下座のマナー①≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:訪問ともてなしのマナー

上座と下座。
どんな時でも、どんな場所でも、上下関係はつきものですね。
お見合いの席、デートの時、上司と共に得意先に訪問した時、上司と共に新幹線で出張した時、さらに得意先の人とタクシーに乗った時、階段やエレベーターでお客さんを案内する時、お得意さんを料亭や中華料理店で接待する時等など。
客人をどこに案内し、自分はどこに座ればよいか?
多様な場面を想定しながら詳しく解説いたします。

最初に、「上座」と「下座」の概念に触れておきます。
その場において、最も上位の人や客人に座っていただく場所が「上座」で、下の人やもてなす側が座る場所が「下座」です。

おもてなしをする側が、客人に気持ち良く過ごして頂く場所を提供し、もてなしを受ける側は、客として謙虚な気持ちを持ちつつ、気持ち良く過ごせる場所に座らせていただいていることに感謝の気持ちを持つことが大切です。

これにより、「もてなしをする側」と、「もてなしを受ける側」が、互いに心と心の交流が生まれるわけですが、どこが上座で、どこが下座になるか、適切に判断する必要があります。ポイントに触れてみます。

○一般的な場合
入口から遠い場所。
眺めの良い場所。

○和室の場合
床の間を背にした場所。
ちなみに、和室において、上座の概念が明確になったのは、室町時代に、武家階級の家に「床の間」が普及してからだといわれております。床の間は「聖なる場所」とされていたので、和室において、床の間に近い場所が上座とされるのは頷けます。

床の間がない和室もあります。
其の場合、基本的には入り口から遠い場所が上座になります。
また、庭の見える位置、花瓶や掛け軸の位置、窓の位置等を参考に決める場合もあります。
接待される場合は、予め店の人に確認されるのがお勧めです。その上で、客人に上座を進める時、出来る限り一声かけてからお勧めして下さい。例えば「こちらが最も庭が綺麗に見えますので・・・」「こちらが落ち着きますので・・・」等です。

○洋室の場合
暖炉(マントルピース)に近い場所。
出入り口から遠い場所
一人掛けの椅子と2-3人掛けの長椅子の場合は、一般的には長椅子が上座(出入り口などの場所により異なります)になります。ちなみに、一人掛けの椅子(背もたれつき)には、お迎えする側の上位の人用です。下位者(新入社員、若手社員)は、背もたれのない一人掛けの椅子に座ります。

応接セットの配置は、オフィスによりそれぞれですが、基本的には入り口から遠い場所が上座になるので、そちらに2-3人掛けの長椅子が置かれていると思います。

○玄関
下駄箱が有る場所が下座です。覚えて置かれると何かと便利です。

次回に続きます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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