マナーうんちく話297≪彼女同伴フレンチのマナー⑦≫
マナーうんちく話94《人生とテーブルマナー》
食事のマナー19、「なぜ、テーブルマナーは必要なの?」
6月も後半に入り、22日は二十四節季の一つ「夏至(げし)」です。昼間が最も長く、夜が短い日で、この日を過ぎると本格的に暑い夏がやってくるという意味ですね。
冬至にはカボチャを食べますが、夏至の食べ物は地域により様々なようです。
皆様の地域では如何でしょうか?
いずれにせよ、このような節目の時くらい、皆で楽しく食事をしたいものですね。
ここで、いままでの「食事のマナー」の纏めをしておきます。
以前、「お里が知れる」と言う話をいたしました。
食べ方を見れば、その人の、育った環境がわかるということです。
また、テーブルマナーは、「その人を映す鏡」ともいわれています。
食べ方を見れば、その人の人と成りがわかるということです。
食事の仕方は、小さい時からの、毎日の繰り返しにより、その人の習慣になっていくものです。成人になって、悪いところを直そうとしてもなかなかうまくいきませんね。
だから家庭で、親は子どもが小さい時から、テーブルマナーを教えることがとても大事ですよと申しました。
家庭での食卓は、家族と語り、家族と絆を深める、かけがいのない場です。
子どもは、ここで親からマナーを学び、人生について学習します。
子どもの価値観、人格なども食卓から形成されます。
コミュニケーションの基本も、食卓で、親や家族との会話の中で形成されます。
家庭の食卓が充実していれば、良好な家族関係が築けます。
逆なら不幸につながる恐れがあります。
そして、姿勢を正して食し、食前に「頂きます」、食後は「ご馳走様」が、ごく当たり前のこととして、家庭の食卓から自然に浸透していくのが、子どもがマナーを身につける出発点だと思います。
子どもが、このような基本的なマナーを家庭の食卓で身につければ、外に出て、ファミリーレストランでも、お好み焼屋でも、うどん屋でも、あるいはホテルのフレンチレストランでも、どこにいっても、大変気持ち良く食事を楽しむことができます。
そして、なによりも、就職・結婚する時には大変有利に事が運びます。
さらに、就職してからも、結婚してからも、職場や家庭で、良好な人間関係を築くことができます。
親が子供に与えてあげる最も大事な財産だと思います。
繰り返しますが、テーブルマナーは、生きていくために、必要不可欠な「食べること」に関する礼儀・作法です。一緒に食卓を囲む者同士が、嫌な思いをせず、楽しく食事をするためにつくられた、先人たちの知恵が凝縮されたルールです。
その昔々、人間が、家族や仲間と共に食事をする習慣が出来た時、他の人と喧嘩にならないように作られた最初の決め事だと思います。
自分は良くても、他人に迷惑かけたらいけません。ここが決め手ですね。
いままで、数えきれないくらいのテーブルマナーを担当しましたが、テーブルマナーを学習される、殆どの方が、「恥をかかないため」と希望されます。
テーブルマナーとは何か?なぜ必要なのか?ということを再認識して頂ければと感じます。
そして、「和食のテーブルマナー」を希望される方より、「洋食のテーブルマナー」を希望される方の方が多いのは少々残念な気がしております。
その理由は、国際化の進展という理由もありますが、日本人は未だに、西洋に対するあこがれが強いのでないかと思います。小物やバッグなども、日本製より西洋のブランド物が根強い人気がありますね。
しかし、西洋のテーブルマナーにも学ぶべき点が多く存在します。
今まで、日本の良さをしっかりご理解いただいたところで、次回から、西洋のテーブルマナーに触れてまいります。